理論武装?
『「まだ結婚しないの?」に答える理論武装』を読みました。
タイトルにまんまと釣られてしまったわけですが、はっきり言って面白くなかったです。
基本的には、周りの人、親とか親戚のおじさん、おばさんとか上司などから、「結婚しないのか?」とせっつかれているような女性が、それに対して反論するという状況設定で綴られている本なのですが、今のご時世、確かにそういったプレッシャーを感じている女性はまだまだ多いのかと思いますが、ここまで露骨に言ってくる人ってのも少ないのではないでしょうか?
ですから、そもそもこの本の前提がおかしく思えます。でもまあ、それはおくとしても、著者が言う「シングル思考」っていうのでしょうか、それがどうも唐突感がありありで、強引にそっちへ持って行こうという部分が見えますね。
確かに、あたしはどちらかと言えば、旧来の男女の役割感に縛られているタイプだと自覚していますが、それでも著者の言うところに首肯できる箇所はたくさんありました。ただ、著者の書きぶりというか物言いというか、それがどうもしっくりきません。
なにより、この本は「理論武装」が売りなのでしょうけど、本書にあるようなことを言われても、言った本人はすっきるするのかもしれませんが、言われた人には全く心に響かないのではないかと思います。つまり、理論武装というのに相手に全く通じていないのではないでしょうか?
それに本書に出てくるような台詞を相手(女性)から言われるような状況に陥る人って、ほとんどいないのではないでしょうか? 設定としては親戚のおじさんや会社の上司を念頭に置いているみたいですが、ここまで人に結婚問題に首を突っ込めるのは、現在では実の親だけではないでしょうか? その親に対して、こういう物言いをするようでは、フェミニズムとか保守派だとか、そういうレベル以前の問題ではないかと思うのですが......
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