ちょっとイヤな感じ
書店を回っていても、それほど北京五輪で盛り上がっているという感じはしません。
旅行書などのコーナーでは北京五輪ガイド的な本がいくつか並んでいますし、中国の最新スポット案内的な本も出てはいるようです。
語学書のコーナーで中国語をフィーチャーしている書店は、ほぼ皆無。新聞報道でも、今回の五輪観戦ツアーのチケットや旅行客が伸びていないと言われてましたらから、当然のことながら、わざわざ中国語を勉強していざ北京へ、なんて人は少ないのでしょう。
中国学を学んでいる者としては悲しい限りですが、この十年来の日中関係のギクシャクさや、チベット問題、環境問題、食品問題などを考えると、素直に五輪だ、オリンピックだ、お祭りだと楽しめないのも理解できます。
それに諸外国の冷め方と対照的に、中国国内が俄然盛り上がってしまって、ナショナリズムというか愛国心が熱くなっているところが、かえって外国人が一歩引いてしまう原因にもなっているんじゃないかと思います。
さて、そんな中、書店を見ていると、人文書のそばにありがちな社会とか各国事情といった棚で、最近中国ものの出版が相次いでいるような気がします。
でも、ほとんどすべてと言ってもいいでしょう、出ている本は中国の環境問題とか格差問題を書き連ねて非難している論調の本ばかりです。結局のところ「こんな中国にオリンピックを開催する資格があるのか!」といったところです。
あるいはオリンピック(それに上海万博?)まではなんとか国の威信で持ちこたえるけれど、それが過ぎたら大崩壊だ、という悲観的な予想の本が多いです。
こういう本ばかりが目立って店頭を賑わせている昨今の状況ってのも、なんか日本も大人げない感じがして、どうもしっくり来ないのですが......
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