2008年7月23日

京8の事件に思ふ

朝起きて、いつものようにテレビのニュースを見ていて驚きました。啓文堂書店京王八王子店で殺人事件が起きたとは......

 

ニュースではあまりはっきりと書店名を告げていなかったので、「八王子駅の駅ビルにある書店で...」などと報道されていたので、最初はてっきり有隣堂かと思ったのですが、よくよく聞いていると京王八王子駅の駅ビルのことだとわかり、そうなると啓文堂書店じゃない、とわかったわけです。

 

有隣堂でも、啓文堂でもどちらにせよ、出版社と本屋という立場の違いはあっても、同じ業界にいる者ですからやはりショッキングな事件に変わりはありません。亡くなられたのはアルバイトの学生さんだということで、直接仕事上で話をするということはなかったですが、たぶん八王子の啓文堂をお邪魔した折には顔を見かけたことはあるんじゃないかと思いますし、もしかしたら担当の人の在・不在を聞くために声をかけたことがあるかもしれない、などと考えると何とも言えない気持ちになります。

 

 

それにしても、出版界にとっては一大イベントである『ハリー・ポッター』の発売を翌日に控えたこんな日に、こんな事件が起こるなんて......

 

特に八王子は毎回、翻訳者がみずから魔女の扮装をして、JR八王子駅前のくまざわ書店店頭で朝早くから販売を始めるのでも有名な土地柄。それに水を差すような事件が起きるとは......

 

啓文堂の入っていた駅ビルは本日は全館休業だそうです。啓文堂でも『ハリー・ポッター』の予約をしていた人は大勢いたでしょうに、それどころではありませんね。

 

それに、啓文堂書店は昨日、神田駅前店、今日は聖蹟桜ヶ丘店と、二日続けて新店のオープンでもあったわけで、あまりにもいろいろなことがいっぺんに起きてしまって、たぶん社員、バイトの区別なく、たいへんな一日を過ごしたんじゃないかと思います。

 

 

書店での事件といえば、まず万引きが一番ありますよね。それこそ日常茶飯事ではないかと思われます。次には、たぶんお客様とのトラブル、とはいっても最近は「クレーマー」というのがいますから、一概に書店員が悪いとも思われない事例が多そうですが...。あとは時に、客同士が揉め事を始めるなんてこともあるみたいです。

 

これらは、たぶん、どの書店でも防犯訓練とか対処マニュアルみたいなものを作っていると思いますが、今回のような通り魔事件には、もうなすすべもないですよね。通り魔というと、「通り魔]というくらいですから道路で起きるもの、野外で起きるものという漠然とした思い込みがありましたが、最近はそうでもないようです。

 

場所はともかく、秋葉原の殺傷事件といい、大阪での切りつけ事件といい、このところ、この手の「誰でもいいから殺しちまえ」的な事件が多くて、暗くなります。

 

識者と呼ばれる人がいろいろな意見を言ってますが、結局は道徳心の問題ではないでしょうか? で、道徳心というとすぐに教育だなんだと、一部のおバカな政治家たちはわめき立てますが、もう四百年近く前に中国の思想家・管仲が言っています。

 

衣食足りて礼節を知る

 

ようは、この不景気がなんとかなって、国民の誰もがそれなりのゆとりを実感できるような生活を送れるようになれば、おのずと道徳心も養われるってもんじゃあないでしょうか?

 

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