2008年7月15日

井の頭線の両端

吉祥寺にある啓文堂書店の吉祥寺店。

 

吉祥寺では最大規模の書店で、新宿以西の中央線沿線でも立川のオリオン書房ノルテ店、中野のあおい書店に次ぐ書店です。売り上げも都内有数の繁華街・吉祥寺にありますので、都心部の大型店とまではいかなくとも、かなりの売り上げを誇っているお店です。

 

この啓文堂書店は布や生地、それに文房具などを売っている手芸のデパート・ユザワヤが入っているビルの地下にありますが、このユザワヤビル、それ以前の吉祥寺を知っている人には「幽霊ビル」として有名でした。

 

吉祥寺の一等地、井の頭線と中央線に挟まれた場所に建っているにもかかわらず、ずーっとテナントが入っていなくて、ゲームセンターみたいなのがちょこっと入っていたことがあったような、とにかく街の真ん真ん中にある真空地帯だったのです。

 

それがかなり以前にユザワヤになって活気が戻り、人の流れも変わり、その余勢を駆って啓文堂書店も集客を伸ばしているという構図でした。

 

でも、この記述を読めばおわかりのように、古いビルなんです。表面上は目立たないのかもしれませんが、あちこち老朽化が進んでいるようです。もちろん今どきの耐震構造はなされていないでしょう。なので先日の朝日新聞に2010年をめどに建て替え、と書いてありました。

 

とうとう建て替えか、と思うとともに、記事を読むと吉祥寺大改造の気配も漂います。

 

さて、単なる内装のチェンジ、つまりは改装なら一週間程度でしょうけど、ビル全部の建て替えとなると、たぶんユザワヤも、そして啓文堂書店も一年くらいは閉店を余儀なくされるのではないでしょうか?

 

あたしの勤務先的に言いますと、啓文堂の吉祥寺店は都内でも有数の海外文学書の販売店なんです。これが閉店になるのは厳しいです。昨年は渋谷のブックファーストが閉店になりましたが、ここも海外文学をよく売ってくれる店でした。

 

いみじくも井の頭線の両端で海外文学に強い書店が消えてしまうとは......。

 

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