2008年7月 5日

手招きしている本

別に、びっくり絵本とか仕掛け絵本などのことではありません。

 

本屋さんに並んでいる本を見ていると、時に「あたしを買って! あたしを読んで!」と訴えかけてきているとおぼしき本に出会うことがあります。

 

先日もそういう本に出会いました。

 

 

崖っぷち高齢独身者 (光文社新書 354)

 

サブタイトルには「30代・40代の結婚活動入門」とあります。つまり、ここでいう「高齢」というのはおじいちゃん、おばあちゃんという年齢の人ではなくて「30代、40代」の人を指しているのです。

 

この線引き、たぶん人によって反発はあるかもしれません。著者が言うには、これ以上の年齢になると、連れ合いと死別したり離婚したりした人が残りの人生を共に歩むパートナー捜しという色合いが濃くなって、初婚で自分の家庭を築きたいと考えている人とはかなり異なり、そういう結婚を望む場合には40歳というのが一つの壁になっている、という理屈です。

 

あたしには医学的な知識がないので何とも言えませんが、高齢出産を考えた場合、やはり世間的には40歳というのは一つの壁として認識されていると思いますし、その後の子育ての苦労(主として肉体的な)を考えると、やはり40をリミットと考えるのはわかります。

 

男性の場合、40歳以上でも大丈夫と思われがちですが、やはり子育ての肉体的な苦労では女性と同じことでしょう。それは、あたしにも自覚があります。最近、疲れやすいし、疲れがとれないですから......(涙)

 

アマゾンの読者レビューにもありますが、著者の結婚の条件はやや容姿にこだわりすぎているかもしれません。でもわが身を振り返ってみれば、そうやってこだわるからこそ(それも自分の容姿を棚に上げて!)、ずっと結婚できずに来てしまったんだということをいみじくも証明しています。

 

それに、やはり著者が男性だから、男性目線からはそうなのでしょうけど、女性から見たら、お見合いパーティにしろ結婚相談所にしろ、果たしてこういう印象になるのだろうか、そういった意味では本書で書かれていることは、かなり偏った意見なのかもしれません。

 

でも、本書をトータルで考えれば、結婚できない人というのは、そもそもが他人とのコミュニケーション能力の弱者であり、場合によっては社会常識の欠けた人であるという指摘、そして、まずはそこから直していかないと結婚など夢のまた夢であるということを、自分の体験を赤裸々に語りながら示してくれた著者の潔さには敬意を表しますね。

 

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