2008年6月 4日

6・4か......

今日は6月4日。


日本では、もうすっかり忘れ去られようとしている天安門事件(第二次)の日です。1989年のことですからもう19年ですか......

あたしは大学4年生。中国思想を勉強していました。現在、地方都市で中国語を教えている友人Kは、その当時一年間の語学留学で上海の復旦大学にいて、現地の知り合いの庇護(?)の下、なんとか帰国せずに現地に踏みとどまっておりました。たぶん、北京ではなく上海だったのか幸いしたのかもしれませんが、後から聞くと、留学生のほとんどは帰国したそうです。

19年と言いますと、この数年大学に入学して中国語や中国の思想、文学、歴史を学ぼうと期待に胸躍らせた新入生の人たちは、この事件のことを、もちろん何らかの形で知ってはいるのでしょうけれど、、リアルタイムで体験した世代ではないわけですよね。

極論すれば、歴史の教科書で習いました、とでも言うような感じでしょうか? あたしだって、かじりつきでテレビを見ていましたが、別に体験したわけではありません。それでも既に大学4年生でしたし、その約一年前に一ヶ月ほどでしたが短期語学研修で北京に滞在していたので、間接体験とでも言うような感覚は持っていました。そういう立場からすると、今の学生さんとはゼネレーションギャップを感じますね。

これってたぶん文化大革命についても言えるのではないでしょうか? あたしが生まれたのは昭和42年、つまり1967年です。文革は一般的には1966年からですよね。そして終わるのは77年。あたしが10歳の時です。

その当時はまだ取り立てて中国に興味を持っていたわけではないので、文革なんて全く知らずに過ごしていました。辛うじてお簿手いる記憶は、裁判所のようなところの尋問台で、ヒステリックに喚いている中年のおばさんの顔だけです。それが江青女史だったんですよね。覚えているのはそれだけで、それもいったい何のニュースかわからず、ただテレビに映った怖そうなおばさん、という感覚だけで眺めていました。

そんな文革ですが、大学に入って先生方と話していると、やはり文革はものすごいインパクトのあった出来事だったことがわかります。あたしたち世代の冷めた感覚とのギャップが感じられました。たぶん、昨今学生だと逆に歴史、世界史で習っている歴史的事件として知っているのではないでしょうか? たぶん、あたしたちの世代は、こと文革に関しては、体験もしていないし、高校などの授業で習ったわけでもない、ちょうどぽっかりと穴の空いてしまった世代になると思います。

天安門事件についても、これからは高校の世界史でも取り上げられるようになると思いますが、ここしばらくの世代は体験もしていなければ習ってもいない世代、という断絶があるのではないでしょうか?

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