2008年6月30日

船も出せず......

このところ新聞や雑誌、それにテレビでも『蟹工船』がブームになっていると伝えています。

 

あたしはブルジョアですから読んだことなんかないですけど(汗)、国語の時間にそのタイトルくらいは聞いたことがあります。たぶん、中学生か高校生くらいの時ですね、そんな作品の存在を知ったのは。

 

でも、そのくらいの年齢では「プロレタリア文学」と言われたって「何のこと?」という感想くらいしか持てません。もちろん高校生の時には、それなりにその手の知識を持っているらしきクラスメートはいましたけど、少なくとも高度経済成長も一段落、完全に戦後世代のあたしには「プロレタリア」という言葉自体が死語でした。

 

まあ、それがこの下流社会と言いますか、貧困社会、ワーキングプア、格差拡大の当今、改めて脚光を浴びているわけですから皮肉なものです。

 

『蟹工船』は船上での悲惨な労働環境、その酷使が見どころというか読みどころなわけで、それが今の悲惨な派遣労働者、非正規雇用労働者と重ね合わせられているわけですね。

 

そこまではわかります。実際、あたしのように安い給料とはいえ、一応は正社員である身からすると、本当のワーキングプアというのは理解できていないのかもしれませんが、この二十一世紀の世の中と小林多喜二の描く小説の世界とが、どことなくシンクロしているという解釈は理解できなくもないです。

 

 

でもでも、真実は小説より奇なり、とはよく言ったもので、先日のイカ漁船の休漁、そして7月に予定されているという日本全国の漁業組合の一斉休漁。

 

これでは船を出して働けるだけ、『蟹工船』の世界の方がマシではないでしょうか? どうしてこんな世の中になってしまったのでしょうか? つまり今の世の中は『蟹工船』以下ってことですよね?

 

今日の配本(06/30)

●荷風と私の銀座百年

 

荷風の養子・永光氏の新刊で、父・荷風とご自身と、そして二人の通った銀座のことを語りおろしています。

 

ところで、あたしの勤務先では既に『父 荷風』や『荷風のリヨン』といった書籍も出しているのですが、読者や書店から「にかぜのリヨンは在庫ありますか?」という電話がよくかかってきます。

 

いまや「荷風」と書いて「かふう」と読むのは常識ではないのでしょうか?

 

2008年6月29日

一人でスイーツなぞ......

昨日までに出張。

 

既に書きましたが、あたしはその出張中に誕生日を迎えたわけですが、知る人もいない大阪で誰も祝ってくれるわけでもなく、一人寂しく(?)ホテルの部屋で、買ってきたケーキを食べておりました。

 

 でもって、誕生日当日、梅田にある阪急百貨店の地下売り場で買ってきたのがこれです。

 

 

これは「御影高杉」というお店のケーキです。なかなかお洒落なケーキで、もちろん美味しかったです。

 

単に「ショートケーキ」という名前でしたけど、このボリューム、イチゴの量! なかなかのものだと思いました。

 

で、上のケーキを買った時、他にも気になるお店がありました。

 

せっかく一週間もいるのだから、別な日にそれも賞味しようと狙い定めて買ったのが下の写真です。

 

 

 

同じく阪急百貨店内に出ている「シェドゥーブル」のケーキです。サクランボがたくさん使われています。生クリームは甘すぎず、このボリュームなのに胃にもたれません。

 

 

ところでところで、肝心のうなぎですが、いくつかネットで調べて、ホテルからも近いお店で食べてみました。

 

大丸の14階、レストランフロアにあった「つる家 竹心庵」です。ここで「ひつまぶし」をいただきました。

 

その名の通り、おひつに入ったご飯とうなぎ。それを茶碗によそって3階に分けて食べたわけですが、これも、美味しかったです。

 

うなぎが江戸風とは異なるのか、と聞かれると、「ややパリパリした感じがしたから、たぶん関西風でしょう」という程度しかわかりませんでしたが......(涙)

 

読書欄だけじゃない!

朝日新聞読書欄、今回も朝日新聞の書籍が紹介されていますね。それも2冊!

 

確か先週だったか先々週だったかは載っていなかったので、ようやく朝日も公正、公平になったかと思っていたのですが、やはり自分のところの本を必ず載せるという方針なんではないかと、穿って見てしまう今日この頃です(汗)。

 

いや、いい本だったら出版社にかかわらず紹介するのが本当の公正なのかもしれませんけど、こういったものでは、やはり自分のところのは避けるべきでしょう。そう思います。

 

で、今週はあたしの勤務先の本が紹介されています。結構大きく、それに評もなかなか素敵! 思わず読んでみたくなってしまうように書いてくれています。

 

 

 

ところで、ところで気づきました?

 

 

今朝の天声人語に『美味礼賛』が引用されていましたけど、これもあたしの勤務先から出ている本です!

 

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