2008年5月27日

早期英語教育

昨日書きました朝日新聞の記事、つまるところ「小学校三年生から英語教育を」という答申(提言?)に応じた記事だったようですね、たぶn。

で、昨日の二つの記事を読む限り、朝日の論調としては早期英語教育反対、ってことなんではないでしょうか? あたしはそう受け取りましたけど読み間違ってますか?

早期英語教育については、賛成・反対、どちらも英語教師や非英語の語学教師など現場サイドの意見、実際に担当する(させられる?)ことになる小学校教員の声、教育学者などの論説、親のレイセイだったり感情的だったりする理屈、それぞれ出てまして、本もたくさん出てますよね。

あたし自身は、何を勉強するかってことを国が細かく決める必要はないと思うんですよ。既に中学校からかなりの時間を割いて英語を勉強しているし、私立などでは高校で中国語や韓国語、フランス語をやっているところもあります。その程度で十分だと思います。国がわざわざ小学校から英語をやれ、なんて支持する必要は全くないと思います。

ただ、これからの国際化を考えた時に、お隣の韓国や中国、それに東南アジアをはじめとしたアジア各国はどこも積極的に英語を学ばせていて、優秀な人材は積極的にアメリカなどへ留学しているという賛成方の論調も理解できなくはありません。

それに対してしばしば言われるのは、日本は海外の文学から哲学書まで広く翻訳書が出版されていて、アジア各国のように原語が理解できないとその作品を読めないという状況にはない、という指摘があります。またインドのように多民族、多言語国家の場合、仕方なく英語が共通語の役割を果たしているだけだという意見もわかります。

さて、あたし自身の考えはどうかと言いますと、あたしは識者でも何でもありませんが、大学院まで行った手前、それと現在の職業柄、大学で教えている人というのを大勢知っています。そういう人って、世間で言うところの「識者」ですよね。

そういう識者の方々を見ていて思うのは、国に言われなくても世界に目を向けている人は英語の重要性については十分認識しているし、積極的に国際的な学会にも参加して研文や人脈を広げているってことです。わざわざ国が小学校から英語教育を義務化しなくても、必要がわかっている人は大人になってからでも勉強してマスターしているということです。

たぶん、英語の早期教育推進論者の方とか、父母の方は「学校で平等に習わせないと、金持ちの子供は小さい頃から英語塾に通えたりして、通えない子供と不公平になる」と言うのでしょう。あたしは、こういうのを「悪しき平等主義]だと思います。日本全国津々浦々一斉に英語を学ばせることが本当に平等なのか、はなはだ疑問を感じます。

それと早期英語教育と言うこと必ずセットで持ち出される「国際化」という言葉ですが、そもそも「国際化」とは何ぞや、という議論が抜け落ちている気がします。もっとそこのところの議論を深めてから、英語の早期教育をやるかやらないか、やるべきかやらなくてもよいのか考えるべきだと思うのですが。

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