2008年4月22日

閉店する理由

この数年、大型書店の開店の陰に隠れがちですが、中小規模の書店の閉店が続いています。いわゆる「町の本屋さん」が消えていっている、というのはマスコミでも何度となく取り上げられてきたと思います。

 

この業界、出版社も書店も、どこも景気のいいところなんてなくて、みんなギリギリの線でやっているというのは承知のことです。ですから、この数年来の書店の閉店も「とうとうやっていけなくなった」「本が売れなくなった」というのが、その理由の大勢でした。

 

確かに町の本屋さんの場合、おじいちゃんとおばあちゃんでやっていたような店も多く、「跡取りがいない」というのも深刻な問題のようです。確かに、儲からない書店なんかやりたがらないという理由も理解できます。

 

ただ、このところ、ちょっとそういうのとは違う理由で閉店する店がポツポツと見られるようになってきた気がします。つまり、決して赤字で経営が行き詰まっているとは思えないような書店が来月で閉店します、なんていう事例が増えている気tがするんです。

 

その理由はだいたい同じです。ビルのオーナーが変わって家賃の大幅なアップを言われた、というものです。なんどなく聞いてます。最近の閉店は、かなりの割合でこのパターンが多いです。

 

もちろん、ビルのオーナーとすれば、それなりの広さと立地があるならば、もっと高い家賃を取りたいと考えるでしょうし、売り上げの何パーセントという形で家賃が決まっているのであれば、できるだけ売り上げの上がるテナントに入ってもらいたいと思うのが人情でしょう。

 

そういう理由は重々承知しているんですけど、やはりこの業界にいますと、そんな理由で本屋さんが消えていくのはちょっと悲しくなります。なんとならないものでしょうか?

 

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