返品が来ない?
そう、それは喜ばしいことなんですが、これほど戻ってこないと重版のタイミングというのが難しくなります。
最近の本で言うと『ナイフ投げ師』、それに『ポル・ポト』です。
『ナイフ投げ師』など、あたしの勤務先のサイトでも大きく扱っていますが、少し前の雑誌「コヨーテ」、それと先週とうとう発売になった「モンキー・ビジネス」など、訳者の柴田元幸さんの露出がかなり増えていて、売れ行きが一向に衰える気配がなく、むしろ書店からの注文が、客注にしろ補充にしろ、むしろ増えている状況なんです。
ふつう海外文学作品なんて、書評で話題になったり、「王様のブランチ」や「BSブックレビュー」などで取り上げられて多少は売れたりしますが、それもたかがしれていて、これほど長い期間コンスタントに売り上げが落ちないなんて最近では珍しい作品です。
もちろん作品、訳、装丁など、さまざまな要素がよかったのが第一ですが、上に挙げたような他社の雑誌が発売されるなど世間的なタイミングもよかったんでしょうね。
というわけで、そろそろ売れ行きも止まるかなと思い思い、重版をどうするか悩んでいたわけですが、このたび晴れて4刷決定です。GW明けには店頭に並べられるのではないかと思います。
『ポル・ポト』の場合、値段も高いんで、これを売れる本屋も限られていますが、そういうところからの返品がほとんどないです。もともと配本数も少なかったので、返すほど在庫していない、というのが実情かと思いますが、それでも少ないです。
結局これも重版決定で、今週末には第2刷ができてきます。この手の本が、このスピードで重版になったというのは、ある意味、出版界も不況を脱しつつあるのか(?)などと思ったりしてしまいます。
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