2008年3月18日

講演会

午後から新宿の紀伊國屋サザンシアターで「トム・マシュラー 出版の極意を語る」という講演会、そしてそれに引き続き高橋源一郎さん、若島正さんを加えてのシンポジウムがあり、聞きに行ってきました。

 

もともとは晶文社から『パブリッシャー 出版に恋をした男』という本が出ていて、晶文社の方から誘われたのですが、興味もわいたので聞きに行った次第です。(会場は、たぶん純粋な外国文学ファンよりも業界関係者が多かったと思われます。)

 

ちなみにトム・マシュラーさんが関わった本を集めたちょっとしたフェアを、紀伊國屋書店新宿南店と三省堂書店神保町本店(←いつから神田本店と言わなくなったの?)とでやっていて、実は昨日、トム・マシュラーさんは、その三省堂書店のフェアを覗き、そのほか神保町界隈の古本屋などを数軒、晶文社の方や招聘元の日本文学出版交流センターの方々と一緒に回られていたそうです。

 

そしてそして、その足で、日本の出版社も見てみたいなんておっしゃって、あたしの勤務先にも足を伸ばしてくださいました。編集部などを見学し、短い時間でしたが、編集部の人間とちょっと談笑して辞去されましたが、お年の割には矍鑠とした偉丈夫、という印象を持ちました。

 

さてさてシンポジウム、21世紀の世界文学というテーマでしたが、肝心のマシュラー氏は世界文学という言葉にピンと来ていない模様。ご自身は自分が好きだと思ったもの、気に入ったもの、他の人にも読んでもらいたいと思ったものを出版してきただけだそうで、それは恋に似ているなどと語っていました。

 

それに対する若島さん、高橋さんが世界文学を熱く語ろうとするこの齟齬が何とも言えず面白かったです。やはり出版人と作家(研究者)という立場の違いなのでしょうか? 高橋さんがケータイ小説のことをちょっと触れてましたが、マシュラー氏はケータイを持ってないそうなのでたぶん日本のケータイ小説の世界について想像もできないんじゃないかと思いますが、欧米で日本のケータイ小説のようなことが流行りだしたら、果たしてどんな反応をするのでしょうか? というより、そもそも技術的なことをクリアできたとして、欧米でiモードのようなものが広まるのでしょうかね?

 

さて、明後日(?)には、こんどは東京大学(本郷)で柴田元幸さんなどとのシンポジウムもあるとのことですが、こちらは既に予約が埋まってしまったようです。

 

コメントする