売り上げ増とは言っても......
またもや今回も業界紙「新文化」からですが......
紀伊國屋書店の福井店が売り上げ二桁増だそうです。この出版不況と言われるご時世に、前年割れしなければ御の字、ちょっとでもプラスなら万々歳という、このご時世に二桁増とはすごいものです。
ところが「新文化」の記事を読んでみますと、同店は改装をしてCDやDVD売り場を拡充し、その売り上げ増が全体の底上げにつながったと言うことです。
CD、DVDを買いに来た人だって、たまには本も買っていくでしょ、という期待はありますが、出版社の人間としてはこのニュース、素直に喜べません。
もちろん書店にとっては、何はともあれ売り上げが上がったのはよいことで、上に書いたように、書籍にもよい影響が出てなくはないと思いますが、それでもやはり本屋が本以外で売り上げを上げてもなあ、という思いはあります。
いや、これは別に紀伊国屋さんを責めているつもりで書いているんじゃなありません、むしろ、売れる本を作れない出版社にも相当大きな責任があるという自戒を込めて書いてもいるんです。
だって、既にCDやDVDを置いている本屋はたくさんありますし、文具を扱っている本屋だって数知れずです。むしろ映画などの影響で本が売れる現実もありますから、メディアミックスということから考えれば、CDやDVD売り場を充実させて売り上げを伸ばすというのは、本屋として決して非難されるようなことではないと、頭ではわかっているのですが......やはり、ね。
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