足利義満 消された日本国王
『足利義満 消された日本国王』読了。感想はこちら。
足利義満と言えば、実は多くの日本人にとって、TVアニメ「一休さん」に出てくるあの人、という印象が強いのではないでしょうか?
あたしはかつて、何を読んだのか覚えてないのですが、日本史上、天皇(天皇家? 天皇制?)を廃そうとした唯一の権力者だとかという論調の本を読んだことがあります。
藤原氏はもちろん摂関ですから天皇の存在を前提にしてますし、平将門も京にいる天皇を廃そうとはしませんでした。織田信長は正親町天皇とかなり緊張関係にあったようですが、天皇の方が一枚上手だったらしく、天皇制をつぶすことはできず、家康も然りです。結局、意のままにならない天皇を辞めさせることはあっても、それはあくまで他の天皇にすげ替えるだけで、決して天皇制を廃止するとか、自分が代わって天皇になるということにはならなかったわけです。
ところが足利義満だけはみずからが天皇になろうとして着々と準備を整えていた矢先に急死してしまった、というのがこれまでのあたしの理解でしたが、本書では義満は日本国の天皇などという地位に拘ってなどなく、もっと大きく広い視野で「東アジア世界の中の日本」というスタンスで世界を見ていたと語られています。それが明の皇帝からもらった「日本国王」の肩書きだった、というのですが、納得できる面も多々ありますが、すぐには理解できなかったです。たぶん、本書の文体のせいです。
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