2008年3月 5日

新たなるデジタルデバイド?

『なぜケータイ小説は売れるのか』を読み終わりましたが、その中に、PCを買わずにケータイで済ます若者が増えているという指摘がありました。

 

買わずに済ますというのは正確ではなく、むしろ経済的に余裕がなくてパソコンを買えず、メール程度ならケータイで十分という若者が増えているということです。

 

就職には、いまやワードとエクセルは必須という話も聞きます。エントリーシートもネットからダウンロードして、記入にして送信、というのが入社希望者の基礎的なPCスキルを見るためにも使われているとも聞いたことがあります。

 

両者を総合して考えるなら、PCは大学のパソコン教室で使うだけで、自宅にはパソコンはなくて、メールはもっぱらケータイ、ってことなんでしょうか? ここにパソコンを買える人と買えない人(=ケータイを主に使う人)という格差が生じるわけですが......

 

実はこれって、ケータイ小説の隆盛とは別に、既に数年前に大学の先生が言ってたことです。つまり、大学の先生方は研究費もある、社会人なので多少の金銭的余裕はある、専任なら大学側が勝手に研究室にパソコンを設置していった、といった理由から、十年ほど前に一気にパソコンの利用率が高まったと言いますか、普及した時期がありました。

 

で、その当時はケータイの機能も今ほどではなかったので(iモードなんかないですから)、学生でもバイトして金貯めてパソコン買いました、という人がそれなりにいたものです。

 

ところが、大学の先生方の話を大雑把にまとめると、ケータイの普及とともに、パソコンを持っていない学生の割合が相当増えている、という話です。

 

となると、パソコンで外国語、なんていくら訴えてみても、われわれ出版社と一部教員だけが踊っているようなものかもしれませんね。

 

ケータイ小説の隆盛は、この後どんな風になるのかわかりませんが、ケータイ派とPC派という分岐は、その間にかなりの溝を作りながら進むのではないでしょうか?

 

ちなみに、小学校などでもパソコン授業が始まった頃、かなり昔の話になりますが、親が自宅にパソコンを持っている子と、そうでない子の差が開いている、という話も耳にしましたね。

 

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