2008年2月 4日

ギョーザ

このところテレビのニュースで盛んに取り上げられているギョーザに農薬が混入していた問題。

当初は中国の杜撰な衛生管理問題という見方が支配的でしたが、ここへきて、どうも人為的に誰かが混入させた(散布した?)ような様相を帯び始めました。

個人的には、確かに中国国内でも食の安全が問題になっていて、富裕層は外資系のスーパーでしか食品を買わない、外食するときは一流のレストランに限るという、最近の傾向も耳にしますし、農薬の乱用による被害が農村で広まっているということも聞いたり読んだりしたことがあります。

だからといって、今回の問題を短絡的にそういった状況と結びつけるつもりはなく、もう少し情報が集まらないと何とも言えないよね、という気持ちでした。

ところが、当初の新聞、テレビなどの報道、それも識者と言える人やコメンテーターと呼ばれるような人たちの論評は面白かったです。特にテレビ番組で垣間見られますが、「ああ、この人、中国が嫌いなんだな」「この人は割と中国に好意的なんだな」というのが、論評に如実に表われていましたね。

いわゆる嫌中波は、たぶん、ここぞとばかりに攻撃し、オリンピックなんかできっこない、と鬼の首でも取ったかのように声を大にしていた印象があります。

ただ、中国の専門家が早々と来日し、やたらと日本の関係機関との協力を強調しているのは、やはりオリンピック前に「食」という人間にとってもっとも大事な部分で不信感を持たれたらオリンピックの成功は覚束ないという危機意識なのではないでしょうか。つまり日本と中国両国だけの問題ではなく、世界中が注視しているというわけです。

情報が少ないのに決めつけることは出来ませんが、中国で向上を解雇された人の逆恨みから起こった事件だとしたら、もちろんそんなことはもってのほかですが、中国の失業問題もかなり深刻な状況になっているんだなあと、ギョーザや食から離れて考えてしまいます。

たまたま食品製造の工場で、食品に毒物を混入するという事件だったわけですが、今後も様々に形を変えて起きるのではないかと、心配です。

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