2007年8月 7日

医食同源

今日は、8月7日で「バナナの日」なんだそうです。知りませんでした。あたし、バナナ好きです!

それはそうと、最近とみに問題になっている中国の食の安全性。中国と言ったら古来「医食同源」と言われ、またフランス料理とともに世界に冠たる料理国家のはず。その中国がここまで食をないがしろにするなんてあるのでしょうか?

正直そう思いました。ただ、その一方で昨今の「向銭看」の傾向を見ると、当然のようにも思えます。そもそも医食同源とか華麗なる中華料理と言ったって、それを享受できたのは一部の特権階級のみ、ほとんど大多数の農民は食うか食わずの状態で、飢餓が極まれば、お互いに子供を取り替えっこして食べたという「食人」の歴史まである国です。

肉まんに段ボールも、儲けるためには何だってする、という最近の風潮が影響していると思われますし、残量農薬や使用不可薬品の散布などは、そういったものに対する単純な無知から来ていると思われます。もちろん西側の報道の何割かは、台頭する中国に対するやっかみも含まれていて、北京五輪なんて失敗すればいいんだと思っているような人もいるんでしょう。タイミング的にばっちりですからね。

ところで、少し前に読んだ『中国の不思議な資本主義』という本で、著者は中国のこういった現象を発展途上国だからではなく、中国特有の文化的背景のせいだと述べていました。つまり、先進国の仲間入りしても直らない可能性が高いということなんでしょうか?

確かにそういう面もあるでしょうけど、悠久の歴史を誇る中華民族ですから、「そんなことじゃ世界から侮りを受けるぞ」との号令の下、一気に雪崩を打ってマナーの向上や科学知識の取得に励みそうです。

北京や上海などの都会の人はかなり西洋的なマナーを身につけてきていることは、毎年短い期間とはいえ訪中しているあたしでも感じられます。地下鉄の切符売り場でちゃんと並んでいる中国人を見て衝撃を受けたのはあたしです。青信号になるまでちゃんと交差点で待っている中国人を見て驚愕したのもあたしです。

中国からの出国ではあんなに無法なのに、成田ではおとなしく、きちんと列を作って順番待ちしている中国人を見て、場をちゃんとわきまえているんだなあと感じたこともあります。食の問題も、五輪の成否も、「国の威信」というスローガンや「民族の尊厳」といった目標を与えれば、案外、きっちりつじつまを合わせてくるのも、あたしの愛すべき中国の姿だと思います。

コメントする