2007年7月11日

札幌の久住書房さん

北海道出張で、念願の久住書房訪問を果たしました。

久住書房さんと言えば、全国紙でも既に何度か紹介された「中学生はこれを読め」という取り組みが有名ですが、実際に訪れてみると、それ以外にもいろいろと精力的に活動しているなあと感心することしきりです。

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お店は、ご覧のように、ごくごく普通の街中にあるビルの1階です。昨今流行(?)の巨大書店というわけではありません。

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店内は、第一印象が「あたしが子供のころに行っていた本屋さん」という感じで、どこか懐かしい雰囲気が漂っています。車椅子の人のために通路を広くとった書店が多いこの頃ですが、メインの通路をのぞけば、人が一人通れる程度で、ご覧のように棚が並んでいます。ちくま文庫や岩波文庫、中公文庫など硬めの文庫がこれでもか、というくらいに並んでいますし、「売れなかった文庫」のコーナーなど、売れようが売れまいが頓着してないような感すら覚えます。

実際のところ、最近は文庫も一度品切れになるとなかなか重版というわけにはいかなくなっているので、こういうところで希少な文庫を手に入れておいた方がよいかもしれません。

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久住書房さんのビルの地下には、上の写真のように喫茶店がありますが、これも久住書店さんの一部と言っていいでしょう。店内にはテーブルの間に本棚がたくさん並べてあり、そこにも本がぎっしりと詰まっています。主に古本だそうですが、もちろん紅茶やコーヒーを飲みながら読むもよし、気に入ったら買って帰るもよし、というあんばいです。

昔、マンガがやたらと置いてある喫茶店なんていうのが高校や大学の近所にはありましたが、そういうノリで普通の本が置いてある感じです。本屋の隅っこにカフェスペースがあるジュンク堂書店などとは真逆です。あくまで喫茶店に本が置いてあるんです。

北大の先生を招いての講演会的な取り組みも時折催されているようですが、面白いと思ったのは毎日夕方やっている朗読会。

これは別にそこらの書店でやっている「読み聞かせ」活動とは違うんです。とにかく本を朗読したいという人が勝手に(聴衆がいようがいまいが、という意味です)自分の好きな本を読む(朗読する)という活動で、なんでも一ヶ月以上も先まで朗読の予約が埋まっているそうです。

別に誰かが聞いてくれるわけでもないのに読みたい人がいるなんて……。いや、既に定着している活動ですから、それなりに聴衆は毎日いるのでしょうが、それでも蓋を開けてみないとわからない、別に報酬があるわけでもないのに、なにか表現をしたい、っていう人が多いのですね。

惜しむらくは、この朗読会、別に毎回ビデオに録画したり、テープに録音したりということはしていないそうなんです。せめて録音(最近はヴォイスレコーダーも安くなりましたね!)くらいはして、ある程度たまったら同じ朗読者や同じ作家の作品など、テーマを決めてCDに焼き、聴衆にプレゼントするとか100円、200円程度で売るなどしても面白いんじゃあないかと思いました。

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