2007年6月 7日

本を読まない人の場合

岡崎武志さんの『読書の腕前』を読みました

アマゾンの読者レビューもそうですし、あたしもそう思うのですが、本好きなら大多数の人が「面白かった」という感想を抱くと思います。

岡崎さんの文章はほとんどイヤミがなくすらすらと読んでいけます。でも、それもこれも、あたしが比較的本好きな人間だからだろうと思うのです。

本好きな人なら、この本はかなりの確率で買っているのではないかと思います。よしんば買わなくとも、ここに書いてあるようなこと、本好きなら「言われなくてもわかってるよ」といった感じでなのかもしれません。

むしろ問題はその先。

そもそも本になんか興味のない人(←今の時代、ほとんどの日本人がそうらしい?)に、どうやったらこの本を読んでもらえるか、いや、この本を読まなくたっていいから、とにかく本を読んでもらえるか、ということになると善zねんさきへ進めなくなってしまいます。

こういった本を読んでくれれば、本を好きになる、そのご本を読むようになってくれる人ってのが、100人に数人は(←あまりに少ない?)現われるのではないかと期待します。

でも、その数人を作り出すために、(仮に上の推定が正しいとして)百人の人にこの本を買ってもらう(←買わなくてもいいから読んでもらう?)にはどうしたらいいのか?

そこはもう、出版社と書店の努力にかかっているのでしょうか? たとえば店頭の一番栄える場所にドンと大量に置いてみる、とか? それともテレビコマーシャルを大量に流す、山手線の車内を全部この本の広告で埋め尽くす、都バスにこの本のラッピングを施して走らせる、などなど?

費用対効果を考えると、どれも実現は無理のような気がします。

こう考えると、本ってなんて安いんだろう、と思いますよね。


そりゃ時々百万部突破、といったミリオンセラーも出ますけど、それでどれくらい儲かるのでしょう? 仮に1600円の本が100万部売れたとしたら16億円ですか? うん、すごい金額ですね。儲かるときには儲かるのかもしれない夷……(汗)

映画なんかも、そりゃ外れる映画が大多数なんでしょうけど、一本で興行収入ウン億円なんてあるじゃないですか? 映画も確か1500円くらいの入場料ですよね。単価という考えを使うと本とそれほど変わらない感じもしますが、あちらは大作になると、テレビとかのコマーシャルや街中のポスターなんかもすごい量ですよね。あんな風に宣伝される本なんて見たことありません(笑)。

例えばある本について、そこまで宣伝すれば、買ってくれる人(読んでくれる人)もそれなりに増えるのでしょうか? テレビで恒常的に見ることのできる本のコマーシャルって「ピッカピカの一年生」の小学館くらいじゃないでしょうか? あれも最近見なくなったのは、売り上げが減ってきて(←子どもが減っているんだから仕方ない!)、広告宣伝費にそれほど巨額なものをつぎ込めなくなったからなのでしょうか?

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