2007年1月 8日

横溝正史的?

映画「犬神家の一族」がヒットしている横溝正史。昔のバージョンはテレビで放送されたときに見た記憶があります。横溝モノは小説では全く読んだことはなく、もっぱらテレビ放映された映画だけなんですが、作品によってはテレビの2時間ドラマでやったりしていますよね。
 
個人的には、「八つ墓村」を筆頭に、映画の横溝作品は、そのおどろおどろしい映像が鮮明に焼き付いています。ミステリー、推理ものというよりはホラー映画に近い印象があります。たぶん、幼い頃に「八つ墓村」などを見た人には、そういう印象が多いのではないでしょうか?
 
少なくとも、あれだけ主要人物が殺されて(ただし、ヒロインは生き残る!)、ようやく真犯人を突き止めているような金田一耕助は、とても名探偵とは呼べないですからね。
 
閑話休題。この横溝作品というと、ほとんど作品に共通するのは、旧家にまつわる地の怨念、複雑な大家族ってところではないでしょうか? 少なくともあたしにはそう思えます。
 
で、そこまでではないんですが、うちの父方も、もしかするとそんな地の因縁があるんじゃないかと思われます。
 
十年前に父が亡くなったときに、戸籍などいろいろ見る機会があったのですが、あたしの祖父、つまり父の父の戸籍を見ると、母の名前の欄が空欄なんです。つまりうちの父親は祖母がいない(!)ってことです。
 
私の祖父の父は、代々続いた庄屋の家の次男坊でした。江戸時代以来の庄屋で、苗字帯刀を許されていたと聞いています。この次男坊さんには息子が三人いて、あたしの祖父はその三男でした。
 
ところで、祖父の父が次男だと書きました。当然代々続いてきたわが家を相続するはずのその兄(=長男)がいたわけですが、その人には子供がいません。既にかなり昔のことなので、全くいなかったのか夭逝してしまったのか、その当たりは不明ですが、とにかく戸籍上は子供はいませんでした。
 
となると、わが家は、跡継ぎのいない長男の次はその弟、つまりあたしの祖父の父に家督が回ってくるはずです。実際にその通り、祖父の父が後を継ぎ、その長男(あたしの祖父の長兄)が跡を取って、その後現在も続いています。(もう、ほとんど全く親戚付き合いもしていませんが…)
 
ここで一つ奇妙な戸籍上の事実があるのです。
 
あたしの祖父が、この子供のいなかった長男の養子になっているんです。つまり伯父さんの子供になったわけですよね。そうなると、あたしの祖父が代々続いた庄屋の家を相続することになりますよね。でも、上に書いたように実際にはそうなりませんでした。
 
で、あろうことか、あたしの祖父というのは、近所にあった分家で育てられたという話なのです。なんでそんなまだっるこしいことが行なわれたのか? ここからはあたしの推測です。
 
たぶん、うちの祖父っていう人は、その子なしの長男の実の子供だったのではないかと思うのです。そして母親はその長男の奥さんではなく、どこぞの誰かに生ませたのだろうと思います。もしかすると、育てられたという分家の奥さんか誰かでしょうか?
 
でも、種違いの子を、いくら本家の当主の子供だからといって育ててあげるとは思えないですから、次に考えたのは次男の嫁さん、つまり義妹を手籠めにして産ませた子ではないかと推測しました。これが事実だとしたら、その事実を次男は知っていて自分の子供として届け出たのでしょうか?
 
いずれにせよ、母親はわかりませんが父親はこの庄屋の家の当主である長男に間違いないと思います。そうでなければ、わざわざ養子に迎えるなんてするでしょうか? ただ、母親がたぶん外聞をはばかる立場だったのでしょう。だから、うちの祖父は代々続いた庄屋の家を継ぐことはできなかった、と思うのです。恐らく長男が死んだ時点で、あたしの祖父の相続に、一族の大反対があったのではないかと思います。
 
と、一時、こんな横溝作品ばりの空想をしておりました。別に殺人事件が起こったわけでも何でもありませんし、世が世なら自分が庄屋だったなんて悔しがることもありません。
 
むしろ、結果的にはよかったです、庄屋じゃなくて。だって、田舎で農家やるなんて、とても想像できませんから(汗)。

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