2007年1月 3日

正月的、あまりに正月的…

昨日は午後からずっとテレビ東京系の大型時代劇「忠臣蔵」を見ておりました。つまみ食い的に見ようと思っていたのですが、結局全編ぶっ通しで見てしまいました。さすが正月…(汗)。
 
このドラマ、とにかく主演の稲森いずみをひときわ美しく描くことに努めているような感じでしたね。確かに稲森さん、きれいでしたよ。この人、昔はもっとちゃらちゃらした、パーな役が多かった気がしますけど、いつの頃からか落ち着いた、しっとりとした大人の色気を醸し出すような役回りが多くなりましたね。まあ、年相応と言えばそうなんですが。でも、本当にきれいでした。
 
さてストーリーは稲森いずみ扮する瑶泉院が、浅野内匠頭の仇を討つために裏でいろいろ画策していたという話です。そういう視点で見ると、かなりいろいろやっているのね、とは思いますが、果たして史実はどうなのか、とも思います。
 
高嶋政伸の内匠頭は、うん、いかにも時代に合ってないアホな殿様っていう感じがよく出ていて、実際の内匠頭もさにあらん、と思われました。
 
柳沢吉保は高橋英樹。この人が吉保を演じる時点で、いわゆる吉保=悪役ではなくなっているわけですが、瑶泉院や内蔵助と実際に逢っていたのかしら、と思われるところもありましたね。個人的にはあれだけ位人臣を極めた人ですから、平凡な才覚の持ち主ではないだろうと思っていましたので、赤穂浪士に対してどんな風に考えていたのか、という意味で興味深い人物設定でした。
 
内蔵助は北大路欣也。この人が演じると、策士・内蔵助になってしまい、昼行灯として内蔵助には見えないですね。それに忠臣の鑑であるはずなのに瑶泉院と寝てしまっうのは興醒めです。瑶泉院と内蔵助が暴君の仇を討つという共通の目的に向かい、いつしか主従の間を超えて……っていう、この部分がこの番組の最大の間違いではないかと感じましたけど。
 
あとは、荻生徂徠役の五木ひろし。たぶん主題歌を歌っていた関係での出演でしょうが、これはちょっとおかしいですね。荻生徂徠に見えないです。
 
さてさて、全体としてはどうだったのか。
 
まず、男の世界として描かれることの多い忠臣蔵で、やはり夫を亡くし、なおかつ家臣たちが見事本懐を遂げ切腹した後も生き続けた瑶泉院の視線を取り入れたのは面白いと思います。どうせ史実を大胆に無視するのであれば四十七士の妻と瑶泉院との関わりなんてのも描きこんでは如何でしょうか?
 
また瑶泉院が裏で筋書きを書いていたというストーリーなので、最初から仇討ちありきというのがち、個人的にはょっとねえ、と思います。もう少し内蔵助にはじらして欲しかったんですけど。
 
それに意外と描けていなかったのが、内匠頭と家臣たちとの結びつきの強さ、主従の絆です。それに吉良上野介のいやらしさ。
 
なので、なんで内匠頭は吉良に斬りつけたの? なんで家臣たちはあんなにムキになって内匠頭の仇を討とうとしたの? という疑問が残っちゃうんですよ。
 
まあ、全体としては討ち入り後の世界も描かれていて、それはそれで面白かったです。それに、くどいようですが稲森さん、美しかったです。
 

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