2006年12月14日

討ち入りは雪?

今日は、日本人にはおなじみの赤穂浪士の討ち入りの日です。

朝の情報番組でもそんな話題に触れているものがありました。お天気担当の人が「討ち入りの日は雪でしたけど、今日の東京は晴れです」なんて伝える光景も毎年見かけます。

確かに東京で12月14日が雪だったって、あたしが生まれてこの方ほとんど記憶にないですね。そもそも東京の場合、年内に雪が降るってのがほとんどありませんから。

でも、これですぐに地球温暖化と結びつけるのは早計。皆さんご存じのように当時は旧暦。なので赤穂浪士の討ち入りってのは、今で言う1月末から2月初めくらいですので、それなら東京だって雪の可能性は格段に高くなります。せっかく赤穂浪士の話題を出すなら、お天気キャスターもそこまで勉強してね、って感じです。

さてさて、赤穂浪士と言えば、今朝の朝日新聞「声」欄に、外国暮らしの長い読者の投書が載っていました。曰く、あれは義挙ではなく愚挙だ、短気な主君のせいで過信に迷惑がかかったわけでもあり、忠臣蔵をたたえる日本人の感覚は外国人には理解できないものだ、と。

この方、ご自身もやはりそういうご意見をお持ちのようです。それは自由だと思いますし、あたしも浅野内匠頭って、あそこまで家臣が尽くすほどの君主だったの(?)と思っています。それに実は吉良が名君だったという昨今の研究成果や論調も知っています。

ただ、あたしがこの投書を読んで感じたのは、この投書の主、外国暮らしも長く、それなりに(たぶん)英語で自分の意見を伝えられるほどの語学力をお持ちの方のようですから、そういう疑問を持つ外国人に対して「なぜ日本人は忠臣蔵が好きなのか。どこに日本人は惹かれるのか」をきちんと説明しているのでしょうかってことです。

外国人と一緒になって日本の文化や伝統を非難していても、たぶん外国の方は物足りないんではないでしょうか。あえて日本人に対して日本のことを話題にするからには「自分たちには理解できないけど日本人はどう考えているの?」ってことが知りたいんじゃないかと思うのですよ。自分たち外国人と一緒になって「いやー、私も日本人なんですけど理解できません」なんて答えられても、外国の人は興醒めではないかと……。

もちろん、日本人のすべてがそう考えているわけではないんだ、われわれと同じ感性の人もいるんだと理解させるという効果はありますが。

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