原風景
母がもつ煮込みを作ってくれました。
もつ煮込みって、居酒屋などでもよくあるメニューで、あたしは大好きなメニューの一つです。
でも、居酒屋で食べるもつ煮込みって、<もつ>以外に、ニンジンとかコンニャクとかいろいろ入っていますよね。あたし、あれがどうも邪道に思えてしょうがないんです。だから、家で母が作ってくれるときは<もつ>以外は入れるな、と言っています。
今回はコンニャクがちょこっとだけ入ってましたが、まあ、これくらいな許容範囲です(汗)。
でも、なんであたしはプレーンの<もつ>煮込みに拘るかといいますと、幼少の頃に食べていた煮込みがそうだったからなんです。
幼少の頃って、やっぱりいえで母が作ってくれたのか(?)って、いえいえ、違います。あたしが幼少の頃、もっと正確に言えば小学校へ上がる前ですが、その頃はおばあちゃんの原宿、巣鴨に住んでいました。トイレはありましたが、風呂のない小さなアパートでした。
なので、お風呂は歩いてちょっと行ったところにある銭湯へ通っていました。その先頭へ行く途中、ちょっと寄り道をすると居酒屋というか「やきとん」のお店があって、そこの煮込みが<もつ>オンリーだったのです(あたしの記憶が間違っていなければ)。
その「やきとん」のお店、滝野川の「高木」です。焼酎を牛乳で割る「ミルク」で有名なお店です。歴史はかなり古いと思います。なにせ、あたしが子供の頃、ですから、ざっと四十年弱は昔の話……。「高木」「滝野川」「やきとん」あたりでググってみれば、いくつかヒットするはずです。
場所は淑徳巣鴨中学・高校の、明治通りを挟んで斜め向かいです。ガラガラと本当にそういう音を立てて開く引き戸の入り口、使い古したのれん、安定感のないテーブルと椅子、なんとも<昭和>を感じさせてくれるやきとん屋です。
この店はあたしのじいさん(父の父、あたしが生まれる半年前に老衰で逝去)の代から通っていたそうです。なので父とあたしで三代目か……。
で、思い出話が長くなりましたが、あたしにとって「煮込み」といえば「高木の煮込み」なんです。これは是非賞味の価値ありの逸品です。ちなみに、この煮込みには、どんぶりにドサッとタマネギのみじん切りがついてきます。はい、「薬味」です。長ネギじゃあないんです。タマネギです。これがキモ!
それと、ギンナン。これも、あたしがこの「高木」で覚えた味です。勤務先の友人たちと飲みに行って、もう一年以上になります。そろそろまた行きたいものです。
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