2006年9月21日

アカシア

かつて、あたしの勤務先からクロード・シモンの『アカシア』という本が出ていました。

もうしばらく品切れになっていたのですが、たまたま先日の棚卸しの時に一冊発見しまして、前々から頼まれていた書店さんへ納品いたしました。それが数日前のことです。

たまたま別件もあってその書店に本日立ち寄ったところ、担当の人から「今日入りました。ありがとうございます。自分が買いたいです」なんて言われました。

それでもその担当の方、自分が買いたい衝動を抑え、きちんと棚に並べていたのですが、ちょうどあたしが言ってお話をしている時に、その『アカシア』を手に取っているお客様、発見!

うーん、やっぱり待っているお客さんっているんだ、などと思いながら文藝の棚からちょっと場所を変えてしばらく話をし、改めて文藝の棚に戻ってみると、あれ、『アカシア』が棚に無いじゃあありませんか。

『アカシア』が収まっていた場所には、しっかりその本が抜かれた後が残っています。嗚呼、もう売れちゃったの? 午前中の荷物で入荷して、たぶん棚に置かれていたのは五、六時間くらい?

でも、そのお客様がラッキーなのか、『アカシア』がもって瞑すべしなのか......。うーん、どちらもですね。こういうのって書店営業の醍醐味のような気がします。

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