ドラママチ
『ドラママチ』読了。
よくよく考えてみると、角田さんの作品って、これが最初かしら?
それはともかく、中央線を舞台にした短編集。もとは某雑誌に発表された(連作?)ものを一冊にまとめたもので、一つ一つの話には特に関係はなく、それぞれが独立した話です。
中央沿線に住む女性の視点で描いた恋愛模様というか生活模様で、女性もだいたい20代半ばから30代半ばといった角田さんがついこの前までそうで あった年頃です。つまり、その年代ごとに角田さんご自身が体験とまではいかなくとも、ふと考えていたことがきっかけになって書かれた作品ではないかな、な どと思いながら読みました。
へえ、女性ってそういう風に考えるものなんだ、とかっていう新鮮な驚きはあまり感じられないのですが、むしろ男性側の不器用さというか女性の意識との差違が興味深かったです。(女性の意識の方は、なぜかメチャ共感できてしまう!)
そんないくつかある作品の中の一つに、やはり三十代半ばの女性の友達との会話の中で、彼氏イナイ歴がもう十四年にもなるっていうのは、小学校へ入ろ うって女の子が短大を卒業するまでの年月と同じなんだよ、そんなに長いこと彼氏もいないと恋愛の仕方だって忘れちゃうよ、というようなセリフがあるんで す。
あたし、このセリフが一番心に残りました。別に自慢するわけじゃないですが(←自慢にならないよ!)、あたしみたいに実年齢が彼女イナイ歴と同じ人 の場合(←別に「彼氏」がいたわけでもありません!)、それこそ恋愛の仕方なんてわかりませんよ。そもそも「仕方」どころか「恋愛」って何(?)っていう 状態ですから(涙)。
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