2006年8月10日

なんとなく懐かしい

まだ読みかけなんですが、角田光代さんの短編集『ドラママチ』を読んでます。

中央線沿線の町を舞台に、世間的には若いと若くないの狭間に位置するような年齢の女性たちの物語集です。

その中の一作「ワタシマチ」。舞台は荻窪です。

冒頭に登場する喫茶店「邪宗門」。あたしも大学時代に先輩に連れられて行ったことがあります。細くて暗い階段を上っていった記憶が残っています。

小説の中では主人公が子供の頃、家族でよく行ってパフェを食べたと書かれていますが、あたしの印象では(後にも先にも一回しか行ったことがないので......汗)、パフェなどを出すようなお店ではなかった気がしてます。あたしがメニューをよく見てなかっただけかも?

その後、主人公が店を出て荻窪駅の南側へ向い商店街を歩くシーン。途中で間口の狭いケーキ屋が出てきます。小説の中で主人公らが歩いている商店街 が、あたしの想像している商店街だとしたら、このケーキ屋って、あたしの高校時代のクラスメートがやっている店です。(当時はもちろん父親がやっていて、 そのクラスメートが今ごろ後を嗣いでいるのかは不明。)

そして善福寺川。角田さんはあたしと同い年。主人公はもう少し若い年齢が設定されているみたいですが、その主人公が子供の頃の善福寺川って、今とはかなり異なっていたはずだと思うのです。

あたしは小学校に上がるときに杉並区高井戸(善福寺川よりも神田川が近く)に越してきて、井の頭線を主に使っていたので、荻窪っていうのはそれほど頻繁に行っていたわけではないんですが、多少は知っています。

で、その記憶では神田川も善福寺川ももっと浅かったんです。なにせ、大雨になると氾濫して、側道までが川になってしまい、環八にも水があふれることがよくありましたから。(最近でも、杉並・中野って大雨で川の氾濫や床下浸水のニュースが多い地区ですよね。)

その後、善福寺川、神田川ともにかなり深い川になって、ところどころに人工中州も作られ、側道も整備され現在のような姿になっているのです。井の頭線の高井戸駅は環八をまたいでいますが、またがれた環八の方は駅のところが低くなっていて、すぐ脇を神田川が流れています。

大雨で、この低くなっている環八に水がたまり通行不可になったことがあったのを覚えています。それくらいの雨になると、実は井の頭線の明大前駅も地 面より低い位置にホームがあるのですが、線路が冠水して井の頭線がストップしてしまうこともよくありました。そうなると渋谷明大前間は不通、吉祥寺・永福 町間の折り返し運転、という事態もありました。

さて、主人公二人が歩きついた公園ってどこなのか、小説の中にはヒントらしいものがありませんが、善福寺川公園というのが無難なところでしょうか? でもそれだと荻窪からかなり歩いてしまってますね。前夫字側からは少し離れますが、太田黒公園でしょうか?

でも小説の中ではその後にバスで吉祥寺に向かうわけです。太田黒公園あたりなら荻窪駅へ戻った方が便利でしょうから、やはり善福寺川公園でしょうか? そうすると、五日市街道に出てバスとなります。

そこまで行くと、あたしの母校・豊多摩高校のすぐ裏手です。どうしても高校時代の甘酸っぱい記憶が蘇りますねえ。

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