2006年7月18日

ヒストリアン

ヒストリアン・I』『ヒストリアン・II』読了。

上巻に比べ下巻は一気に読んでしまいました。一言で言ってしまえばドラキュラ伝説モノなんでしょうけど、別にドラキュラが現われて人を殺しまくるというホラーではありません。でも、人は数名殺されてしまいます。

内容的には主人公の父、その父の若いころ、父の恩師の若いころ、といくつかの時代が重なって進行していくので、最初はやや戸惑いました。実際に、死 なざるもの=ドラキュラが存在するのか、そうではなくてドラキュラに名を借りた殺人者がいるのか、最後までわかりません。それは「ヒストリアン」という書 名にもあるように、最後までは実に歴史を文献的実証的に追っているからではないでしょうか?

そのせいなのか、実は最後になって「えっ?」と肩すかしを喰わされた感じです。こんなんでいいの(?)という気がしてしまうのは、あたしだけでしょうか? むしろ、東西冷戦時代にアメリカ人が東側に足を踏み入れる、その緊張感の方が面白いと感じました。


ところでこの本、出た当初はかなり書店の店頭にも積んであり、今もそれなりに並んでいますが、実際に売れているのでしょうか? 大々的な登場のわりにはその後噂を聞きませんねえ。

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