2006年5月12日

ユダヤ教VSキリスト教VSイスラム教

ユダヤ教VSキリスト教VSイスラム教―「宗教衝突」の深層』読了。

なんといっても昨今の世界情勢は、イスラム教世界とキリスト教世界の対立が軸になっているわけで、どうしてそんな風になってしまったのだろうということをわかりやすく解説してくれている本です。

と言っても、対立ばかりを取り上げている本ではなく、同じ根っこから生まれたこの三つの宗教の違いや共通点を歴史の流れや人物なども交えながら示してくれます。

記述の中には、キリスト教やイスラム教などの宗教的知識、ヨーロッパや中東の歴史的知識といったものを持ち合わせていないと、やや難しいところもありますが、全体としては平易で、最初の一冊としてはわかりやすいものではないでしょうか。

文庫というサイズ、それにあくまで書名にある三つの宗教を概観するという本書の性格上、仏教やヒンズーなどアジア(中央アジア以東)の宗教などには触れられていませんが、本書のような感じでそれらにも言及してくれると、手頃な世界の宗教ガイドになりそうです。

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