2006年4月 4日

読書会、花盛り?

先だって刊行した『ジェイン・オースティンの読書会』が、書評にも登場したりして比較的よく売れています。

書評の中には、この小説の舞台回しとなっている読書会について言及しているものもありました。

そこで、というわけではありませんが、あたしの勤務先の公式ウェブサイトでも読書会特集のページを作り、日米の読書会事情に関する文章を寄稿してもらっています。

そしてそして、更に図に乗って、社内でも読書会をやろうというプロジェクトが始まりました。考えてみますと、海外文学以外にもいろいろなジャンルを 出版しているわけで、あらゆる分野に精通している社員なんて一人もいないわけです。そりゃ仕事でもありますから、得意な分野、それなりに人より詳しい分 野ってものはありますが、それだって相対的なものでしたかありません。

こういった読書会や交流の場を設けることによってお互いの知識のキャッチボールができ、刊行している本にタイする興味・関心が増してくれば、結果的に販売促進にもよい影響が出るようになるのでしょう。

とりあえず海外文芸作品の読書会から始めるようですが、このダイアリーで何度も告白しているように、あたしは文芸作品は苦手なので、当面この読書会に参加する予定はありません。自分の勉強にもなるんでしょうけど、いまのあたしにはあまりにも敷居が高そうで......(汗)。

ところで読書会。ここでいう読書会って最近の作品を読んで感想を言い合って、というすたいるなんでしょうけど、古典の読書会でしたら長い歴史があり ますよね。そもそも人文系の大学のゼミなんて、古典作品をひたすら読み続けるなんて授業はざらですし、あたし自身もそういう授業に出ていました。

あたしも参加している「春秋繁露研究会」だって、言うなれば読書会です。否、正真正銘の読書会です。『春秋繁露』は中国の古代哲学の書なので、現代語訳するだけでなく、その哲学思想についても議論します。曰く、

その時代にそういう考え方はあり得たか、その解釈は後世の思想に引き面れているものではないか、......

とは言いつつ、古典作品なので、その成立がまた怪しいので、

こういう思想が述べられているということは、この本の成立はもっと後世になるのではないか
という場合もあります。まあ、こういうやりとりが楽しくて、大学卒業後もいまだに読書会に参加し続けているわけですが(笑)。

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