2006年4月 1日

小学生の英語教育

この数年、英語教育の低年齢化が進んでいるようで、小学校でも英語教育を始めるべきだという議論が、賛否両論を巻き込んで花盛りです。今朝の朝日新聞「声」欄にも、小学5年生からの英語教育では遅い、という投稿が載っていましたが、どうなんでしょう?

あたしは語学教育の専門家ではないので、低年齢から始めることの科学的な分析や効果ってものを云々することはできませんが、漠然と「もっと他にやる ことがあるでしょう? だいたい今の学生を見ていると日本語も満足にできないのにどうして英語ができるようになるのよ」と思っています。

あたし自身、世間並みに中学・高校と勉強してきたはずの英語は、とても「できる」と言えたレベルではありません。大学に入ってから中国語を勉強しま したが、これもまあ中国へ行ってお土産を買ったりするくらいの会話はできるかな(それも不十分なレベルで......涙)という感じなので、当然偉そうなことは言 えません。

ただ、大学時代に一ヶ月、短期語学研修で北京の学校に行っていた時、最後の一、二週間はかなり中国語に慣れてきて、中国語を使っているという意識もなく、先生や事務の人、あるいは街で一般の中国人と話をしていました。

この時感じたのは、日本人はヒアリングが苦手だと言われますが、よく言われるように外国人の人もふだんはそれほど難しい単語を使って会話をしているわけではないので、実はヒアリングは慣れてくると意外とできるようになったということです。

ふだん日本で日本語を使って生活している時、相手の話をすべて(一字一句)聞き取って会話しているわけではないように、その時のあたしも別に中国語を一字一句聞き取れていたわけではありません。でも何を言っているかはわかるのです。

むしろ問題は自分から話す方です。単語力のなさ(これは大いにヒアリングにもかかわります)もありますが、そもそも日本語でどう言うかが組み立てられない、自分の確固たる意見を持っていないので中国語で言えるわけもありません。

いや、そんな難しく考えなくとも、中国語で話す時にうまく言葉が出てこない時、頭の中でまず日本語で作文してそれを中訳してみるのですが、その日本語が作れないことがしばしばあったのです。

外国語の方が母国語(母語?)より上手いなんてことはない、と言われますが、まさにそのとおりでした。極めて個人的な体験ですが、こういう体験をし ているので、英語教育の低年齢化ってものには反対ですし、特に日本の場合、日本全国一律に行なおうとするので、ますます閉口します。

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