2006年3月 7日

魔王

魔王』読了。

伊坂作品は初めてだったのですが、なかなか面白くあっという間に読み終わりました。

結末は「えっ、これで終わり? 続きは?」という感じがありますが、「あとは自分で考えろ」というのが作者のメッセージなのでしょうか?(「考えろ考えろ」と「考えない考えない」がこの本のキーワードでもありますけど)

憲法改正や軍隊保持など、ストーリーの状況設定は、まさしく現代を写しているようで、非常にリアルですが、主人公の特殊能力(本当にそんな能力を 持っていたのか、最後まで不明)があまりにも唐突で、そのギャップが面白かったです。こういうのをファンタジーって言うのでしょうか?

最初に書きましたが、伊坂作品は他のを読んでいないので、この続きに当たるような作品を氏が発表しているのか不明ですが、主人公が何一つ主人公らしい活躍をしていない作品なので、是非とも続きが読みたいと思います。

著者は、上に書いたような憲法論議などの政治の話題がテーマの本ではないと言っていますが、これは高校の政治・経済などの授業で取り上げたら面白い (考えさせられる)本ではないでしょうか? ただし、授業で取り上げるには、本書に出てくるような意見・議論をきちんと裁ける行司役がいないとならないで しょう。いまどきの高校教師にそれを期待するのは無理だと思いますが......

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