2006年2月 2日

どっちがいいのか?

中国語の学習参考書って、毎月毎月たくさん刊行されていますね。

あたしもこんな風に毎月の諸外国語参考書のお知らせを作っていますが、とにかく中国語・韓国語が多いです。

さすがにフランス語も毎月出版されていますが、中国語・韓国語に比べると、やはり圧倒的に少数です。それ以外の語学については一冊も刊行されない月だってありますから......。(この際、英語はおいといて。)

前にも書きましたが、こういった世の流れがあるにもかかわらず、あたしの勤務先はやはり独仏偏重なところがあります。確かに、世間が中韓にシフトし ていても、独仏伊西露などを求めているお客さん(学習者)ってのはいますから、そういう人たちに良書を提供するってのは大事な役割だと思います(だから、 出版業は文化事業なんて言ったりもするんですけど)。

でも、でも、そういった語学書を出しながらも、やっぱり世間が求めている言語(つまり中韓)だってそれなりに出版しておかないと、企業としてはどうよ(?)って思います。

そのあたりのバランスが悪いというか、小回りがきかないというか......。歯がゆいです。

昨今売れている中国語・韓国語の参考書を出している出版社って、いわゆる語学の出版社と言うよりは実用書の出版社で、多色刷りでイラストや写真など もうまくレイアウトして、安い価格で提供していますよね。そういう本作りって、語学の出版社にはなかなか出来ない、やはり実用書系の出版社はうまい、なん て業界内では言ってますけど、そんな理屈、買う方には全く関係ないですよね。

お客さんにしてみれば、安くてキレイでわかりやすそうな本であればいいわけで、それもブームになっている時に、いち早くそれを取り込んで、いいタイミングで刊行する、だから売れるんでしょう。

しかし、こんだけ出ていると、実は、あんまり売れていないような気もします。実際、数点のベストセラーを除けば、版を重ねている本ってほとんどな く、たくさん出ているから本屋さんでもそれなりの場所を占拠していて、だから売れているんだろうな、って思い込まされてしまいますが、それほどうれてもい ないみたいなんですよね。

そうなると、語学参考書も低価格競争だけに、出版社も台所事情がかなり大変なんじゃないかと思われるわけで、であるなら、あたしの勤務先のように地道に正統的な(?)語学書を作っている方が、長い目で見るといいのかな、なんて思っちゃいます。

かつて語学書は、それなりに時代の影響を受けて変化してきましたけれど、割と定番といわれるものが長いこと売れ続けるという歴史がありました。先生 も生徒も同じ参考書を持っているなんて、よくある光景だったと思うのですが、最近は違うみたいですね。10年後も存在意義を失っていない(売れている)語 学書って、このご時世で可能なのでしょうか?

あたしのウェブサイトでも、アマゾンのアフィリエイトで中国語の参考書を売ってますが、もっと売れるようにしたい、もっと利用者に使いやすいサイトにしたいと思って、いろいろ考えながら、ついでに語学書の現状について書いてしまいました(自省)。

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