2012年10月 8日

郷に入れば...

少し前にフランスのホテルのオーナーだったかが、こんど開業するホテルは中国人お断わりにすると発言して物議を醸していました。その後、このオーナー氏は謝罪して発言を撤回したようですが、これに限らず、ニュースではしばしば中国人観光客のマナーの悪さは指摘されています。

翻って日本人はどうなのかと言われれば、ヨーロッパのどっかで歴史的な建造物にいたずら書きをした日本人がいたというニュースもありましたし、先進国の仲間入りをして舞い上がっている時期の国民はどこも似たようなものではないかという気もします。

ここへ来て中国人のマナーが言われるようになったのは、それだけ中国人が海外へ出かけるようになったということであり、それまでは国内旅行もおいそれとは出来なかった人たちが海外へ出て、すぐにその国の習慣とかマナーを身につけている方がおかしなものです。日本人など、いまだにチップの習慣に慣れていないのではないでしょうか? あたしも海外は中国と韓国だけなので、基本的に両国ともチップが不要ですから、欧米のチップの習慣はわかりません。

たぶん、海外旅行に気軽に行けるようになった数十年前の日本人も同じだったのではないかという気もしますし、いまだに時々バラエティ番組で海外で無茶苦茶なことをしているのを視ると、現地の人にどう思われているのだろうかと心配になることがあります。

で、中国人ですが、中国国内では、確かに日本人には理解できない行動パターンや理屈に閉口させられたことは数えきれません。でも慣れてしまえばどうということもないですし、最近と言っても最後に行ったのは8年ほど前ですが、その時ですら、北京やシャンはにの人たちのマナーが劇的に改善されて、あたしが初めて行った88年頃とは比べものにならないくらいでした。なので、着実に、マナーは向上していると思います。

面白いのは日本に帰国するときに目撃した中国人です、出国のゲートのあたりからパスポートや搭乗券のチェックくらいまでは中国人も意外と我が物が追いに振る舞っているのですが、搭乗口に来ると(日本の航空会社だったからかも知れませんが)、中国の人もかなり紳士的になります。そして、日本に到着すると、あの中国人が、かなりきちんと列を作っておとなしく並んでいるのです。「なんだ、やればできるんだ」と思ったことが何度もあります。

それにしても、どうして北京の地下鉄の切符売り場やバス停で乗り込むときにこれが出来ないのでしょうか?

2012年9月 2日

帰省

書店営業って、別に本のセールスばっかりしているわけではありません。むしろ、あたしの場合、くだらない世間話の方が多かったりします。女子書店員とは恋バナに花が咲くこともあります(爆)。

そんな雑談の中、ある仲良しの書店員さんに「夏休み、どこか行きました?」と聞かれました。

答えは「どこにも......」です。せっかく話題を提供してもらっても、会話の広がらない営業マンで申し訳ありません(涙)。

ただ、言い訳をさせてもらいますと、あたしの家は、昔から休みのたびに家族でどこかへ旅行するという習慣がなかったので、休みだからといって出かけようという考えを今に至るまで持ち合わせていないのです。

こういうことを言うと、「田舎はないの?」と聞かれたりもしますが、父方は祖父の時に東京へ出てきているので、一応、本家筋はありますが、いまではもう行き来がありません。

母の田舎はありますが、こちらももう母の実兄は亡くなっていて、その子ども、つまりあたしのいとこの代になってしまっていますから、母も積極的に行こう、帰省しようという気にならないみたいです。いとこ間の付き合いもほとんどありませんし、没交渉になりつつあります。

というわけで、あたしは行くべき故郷を持たない身の上なのです。もちろん、父方の田舎(千葉、房総の方)にも、母方の田舎(新潟の上越)にも行ったことはあります。父方の田舎は、戦時中、父が疎開していたところでもあるので、父にとっては実家も同じで、あたしの家族は小さいころは夏休みになると遊びに行ってましたが、それもあたしが中学に入る頃までです。やはり、血が遠すぎて本当の田舎ではないので、なんとなく疎遠になっていってしまいました。

新潟は遠いと言うこともあり、法事などがない限り、滅多に行くことはなかったです。母の母が亡くなったときは葬儀もあり、その後も法事などがあって何度か行きましたが、最近はすっかりご無沙汰です。

とまあ、こういう人生を送ってくると、盆暮れの帰省をしてみたいという気持ちになる人もいるみたいですね。自分が体験したことがないから、そういうことをしてみたい、そういう気分を味わってみたい、ということなのでしょう。

でも、生憎あたしはそういう感情を持っていません。仮にあたしが若いうちに結婚したとして、その結婚相手が田舎から上京してきている人だったら、盆や暮れの帰省をするようになり、自然とそういう習慣なり考え方が養われたのではないかと思います。でも幸か不幸か、あたしは今に至るまで結婚という機会に恵まれず、その結果、結婚相手の実家に帰省するという体験もしたことがありません。こうなると、いまさら地方出身の人と結婚する気にはなれません、たぶん。

また、過去の父方なり母方なりの田舎へ行った楽しい想い出があるのかと問われれば、虫を捕ったり海に行ったりといった思い出はあります。でも、忘れられない楽しい想い出なのかと問われると、別に格段の体験だったという気はしません。むしろ、車で行くことが多かったのですが、道中の車酔いに苦しめられたという記憶の方が鮮明です。

あたしは小さい頃から乗り物酔いがひどく、乗れば必ず吐く、という具合でした。学校の遠足や修学旅行なども憂鬱な想い出しかありません気持ち悪くならずに済んだ、吐かないで帰ってこられた、というのがよい想い出になってしまうくらいの状態でした。高校の修学旅行は電車ではなく全行程バス移動だったので、それを理由に修学旅行は欠席した(=不参加だった)くらいです。

なので、あたしにとって旅行に出かけるということは、「車に酔う」という苦行でしかなかったのです。幸いにして免許が取れる大学になってからも、休みに出かけようと誘ってくるような友達ができなかったので(←くどいようですが、これは幸いでした)、休日に他人と出かけるという習慣が身につきませんでした。社会人になってからもそうです。

たぶん、夏休みにどこかへ行ったのかと聞いた書店員さんは、家族や友達、恋人と楽しい旅行やお出かけをした想い出がたくさんある人なのではないでしょうか? 人それぞれですから別に羨ましいとは思いませんが、昔取った杵柄というのか、トラウマというのか、幼少時の体験というのはその後の一生を左右するものです。

2012年8月28日

いまこそ行きたい

韓国はともかく、中国学を学んでいたあたしにとって、やはり昨今の中国の反日デモは気になります。もちろん社会のいろいろな不満が、政府に対しては決して吐き出せないので、他のことを口実に吐き出しているのは理解できます。これまでの反日デモも、特にここ十年くらいはそういう性格が強かったと思います。

もちろん、中国人の心の中にある日本に対するわだかまりはそれなりに理解しているつもりです。いくら戦争という極限状態、狂気の中でとはいえ、日本軍に愛する人を殺された思いはそう簡単には消えないでしょう。でも、そういう意識と反日感情とは、やはり似て非なるものだと思います。

気になるのは、愛国教育と言ってしまえば問題を矮小化してしまいそうですが、ちょっとしたことで簡単にこのような暴動にエスカレートしてしまう国民性を育ててしまった中国のこの十数年来の教育のあり方です。一党独裁で自由な言論を封じ込めているので、どうしても客観的な見方、視点は育まれにくいでしょう。それでも冷静な論調をする人も大勢いるのに、そういう人たちを「漢姦」呼ばわりして寄ってたかって叩く風潮は、正常な議論を妨げるものであり、今後の中国の国際的な立場を悪くする結果になりはしないかと心配です。

で、とうとう外交車両までが襲われた北京ですが、そんなときだからこそ、いまの北京を、現在の中国を見に行きたいと思います。とても暇ではなく、お金がなくて行けそうにありませんが、ここしばらく行っていないので、この肌で中国を感じたいです。

次に中国へ行けるのはいつになるのでしょうか?

2012年6月26日

なにかと

出張前は何かと忙しいものです。

出張中は会社での作業ができませんから、やるべきこと、やっておかなければならないことはすべて済ませておかなければなりません。

今回の出張は、明日から来週の木曜日までという長丁場。出張明けの金曜日は、東京国際ブックフェアのブース当番なので、やはり会社にはいられません。

しばらくは会社の机に座ることもなさそうです。と言うか、座れません。

出張先は暑いのでしょうか、しのぎやすいのでしょうか? 雨に降られなければよしとしましょうか?

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