2012年10月18日

変化は?

郡山、福島、仙台と回ってきて、かつて担当していた地域なので、初めて来た書店というのは数えるほどでしたが、変化があったようなないような、不思議な気分でした。

もちろん東日本大震災という未曾有の大惨事を経ているわけですから、何も変化がないということはないはずです。ただ、そんなことを忘れて書店を見ている限り、震災の爪痕を感じることは稀でした。実際に津波の被害を受けていない地域ばかりだったからなのでしょう。

テレビで見ていたあの映像。津波にのみ込まれる車や街。不謹慎な言い方になりますが、テレビで切り取られた映像を見ているだけですと、非常によく出来た映画やドラマのワンシーンを見ている気になってしまいます。「そうそう、アクション映画にありがちだよね。こんな状況でも主人公は間一髪で助かるんだよね」と思わず言いたくなるような光景でした。現場を知らずに東京で過ごしていると、そんな感想を持ちがちです。

東京の書店も確かに震災関連本のコーナーを作っていますが、やはり東北の書店とは展開している場所が異なると感じます。東北の書店ですと、書店の中の目立つところで展開されていますし、なによりも地元の出版社(新聞社)の本が中心に並べられています。忘れないで欲しいという気持ちと、もう忘れて昔の日常生活に戻りたいという気持ちが微妙に混じった状況なのだと思いますが、東京から訪れたあたしたちにはかなりのインパクトを持って目に飛び込んできました。

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