2012年9月22日

サイコな......

秋分の日、と言うよりも、まさしく暑さ寒さも彼岸までというセリフがふさわしい秋の彼岸の本日。鑑賞していたのはこの二本。

 

どちらも、いわゆるサイコホラーと言うのでしょうか?

前者はブラッド・ピット主演の「セブン」を彷彿とさせます。詳しいことはわかりませんが、かなり影響を受けて製作されたとおぼしき作品です。「セブン」は既に記憶が曖昧ですが、最後は確かピットの奥さんが殺されて、その遺体を発見するところで終わっていませんでしたっけ? 犯行もそれをもって完結するような......

それに比べるとこちらは犯人がしっかりわかるし、最後は、逮捕はされませんが、事件が解決します。キリスト教をモチーフにした作品なので、今一つ切実感というか恐怖なり圧迫感なりが伝わってきませんが、異様な殺人に、「たぶん犯人は関係者の中にいるんだろうな」という予測はつきました。まあ、あの犯人が「関係者」の範疇に入るかどうかは微妙ですが。

それにしても、あの犯人がよくもまあ、あそこまでの殺人を繰り返すことができたなあ、とちょっと感心してしまいます。一見すると切れ者のようでいて、ちょっと抜けたところを感じる人物なので。そして、もう少し、犯人にたどり着くまでのスリルを味わいたかったという憾みも残ります。

後者は「es[エス]」のリメイクだそうです。「es」は見たことありませんが、この手の心理実験の話は知っていました。人間って、誰でもこうなってしまうものなのでしょうかね。これが知り合いの二人が看守と囚人に分かれただけなら、こういう結果にはならなかったのかもしれません。やはり適当に選ばれた(←主宰者は個々人の性向などを仔細に分析して選んでいるのでしょうけど)多数の人間で構成されると、このような結果になってしまうものなのでしょう。

しかし心理実験としては面白いとは思いますが、実のところ、この実験によって何がわかるのでしょう? どのようなデータを集めたかったのでしょうか? それが素人のあたしには疑問として残ります。

内容自体は、実話を元にしているので、そこから逸脱はできないと思いますから、一週間と続かずに実験が中止になったのは救いかも知れません。こういう映画から「人間って恐ろしい、誰でも豹変してしまうものなんだ」という教訓をくみ取るべきなのかも知れませんが、そんなことよりもなによりも、そもそもこういう実験を思いつき、何食わぬ顔で被験者を募集し、実験施設に送り込んで、その様子を観察していられる研究者の方が恐ろしいですし、モンスターだと思います。

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