2012年8月21日

夏葉社

今日の朝日新聞に、吉祥寺の出版社・夏葉社さんの記事が載っていました。

こういう小さくて地味だけれど良書を出し続けている出版社は大好きですけど、朝日新聞がこのタイミングで取り上げた理由がわかりません。

こういう出版社を応援していきたいというエールなのでしょうか? 確かに、朝日新聞に限らず、多くの書店、そして書店員さんが夏葉社さんにエールを送っていますし、さまざまな取り組みをしています。そして、夏葉社さんに限らず、こういう零細とも言えないような小さな小さな出版社は他にもたくさんあって、それぞれが頑張っています。

でも、でもです。

朝日新聞のような大手マスメディアであれば、こういう小さい出版社とか、とんがったことをしている書店を取り上げていてはダメなのではないかと思うのです。別にあたしは、夏葉社のやっていることを腐したり否定したり非難したりしたいわけではありません。ただ、所詮は特異な事例であり、不景気にあえいでいる出版業界の現状を打破するものではないと思うのです。

たった一人で、自分の出したいと思う本を、じっくり作って出版していく、それはある意味出版人にとっては理想です。でも、それでは従業員を抱え、その家族も間接的に抱えて出版活動を行なっていかなければならない出版社にはとても出来ることではありません。

朝日の記事は、大手から中小に至る出版社の現状に対する処方箋にはならないと思うのです。だから、なんで、このタイミングでこういう記事が載ったのか、それが理解できないのです。

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