2012年6月24日

費用対効果

ついこの前、北陸へ出張に行ったと思ったら、今週は水曜日から関西へ出張です。こんどの出張は、YA(ヤングアダルト)出版会の研修旅行に続いてルーチンの出張があり、計9日間となります。もっともっと長い出張をこなしている同業者もいるわけですから、この程度の出張で弱音を吐いているわけにはいきませんが、梅雨時ですから雨も嫌ですし、もちろんジメジメした暑さも嫌です。もう少し爽やかな季節ならと思わずにはいられません。

ところで、そんな風に出張に出ていて、実のところ、その費用対効果ってどうなのでしょうか? そんなことを考えると、出張もちょっと憂鬱になります。

本が売れないのは東京も地方(東京以外)も同じです。ただ、東京の場合はちょっと電車賃を使うだけで書店営業もできますが、地方の場合はバカにならない交通費とそれなりの宿泊費がかかるわけですから、おのずと都内の営業回りよりも費用対効果について考えざるを得ません。

正直に言いますと、あたしが担当している京阪神は大型店が多いので、在庫はそれなりに充実しています。特に欠本チェックを頼まれることもありますが、ほとんどの本は在庫してくれています。となると、あとは企画ものやフェアなどの注文を取るしかないのですが、意欲的な書店員さんほど出版社の押しつけのフェアを嫌います。こちらが、自社の本をベースに何らかの腹案を持っていかないと、早々よい結果は得られないものです。

ですから、たぶん実際に行って取れた注文金額ということで考えると、あたしの出張は採算割れしているのだろうと思います。無駄なおしゃべりなんかしていないで、もっとガツガツ注文を取ってこいと言われるかも知れませんが、確かにそういう出版社の営業スタイルもあるでしょう。でも、あたしの勤務先はそういうスタイルではありませんし、あたしもそういうタイプではありません。そもそも、そんな風に無理矢理押しつけたフェアや注文では書店員さんも本気で売ってはくれはしないでしょう。

じゃあ、なんでお金をかけて出張に行くのかと問われれば、やはり大型企画やフェアなどは大きなお店でやってもらいと思いますし、現に売り上げもいいわけですから、さらに伸ばしてもらいたいと考えるわけです。でも、本当のところは、そんなことよりも、やはり人と人との繋がりではないかと思います。

東京の営業回りでもそうですが、一日回っても全く注文の取れない時ってあります。それでも、時々顔を出していれば、何かって時に思い出してくれます。「こんなフェアやりたいんだけど」とか、「こういうこと出来ないかな」といった提案も舞い込みます。やはり知っている営業マンの方が無理な(?)お願いにしろ、相談事にしろしやすいということなのでしょう。

ネットやメールである程度事足りるのはわかりますが、やはりそれはあくまで一度は会って話をしたことがあるという前提の上でのメールやネットではないか、とも思います。もちろんネット上ではいい人なのに会ってみたらサイテーという、あたしみたいなタイプも数多くいると思いますが......

いずれにせよ、実際の注文は取れなくて、出張での売上(注文)金額は雀の涙かも知れませんが、コネクションを構築してくるという、そんな目に見えない費用対効果について、今回の北陸出張では改めて考えさせられました。

しかし、あたしみたいなタイプだと、目に見えない費用対効果は更にマイナスになっているのかも(爆)。



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