2012年6月10日

出版社ができること

徳間書店から刊行されている『美木良介のロングブレスダイエット』が売れていると業界紙「新文化」に書いてありました。

この記事を読んで、いつの時代もダイエット本は売れるんだなあ、と思ったのですが、何百何千と出版されているダイエット本の中からこの本が売れるからには、それなりに内容がよくないとやはりダメなんだろうとも思います。

ただ内容がよくても、それが人に知られなければ何にもなりません。徳間書店もそれなりにプロモーションをしたのではないかと思いますが、やはり著者が美木良介という著名人であると言うことがキーだったのではないでしょうか?

もちろん著作のヒットから一般人が有名になってテレビに引っ張りだこというのはしばしばある話ですが、最初から有名人である場合はやはりアドバンテージがあると思います。有名人であればこそ、事務所もプロモーションするし、テレビにも出演しやすいのだと思います。

いや、そんな簡単にテレビに出られるほど甘い世界ではない、と言われるかも知れませんが、美木良介が本を出版してテレビに取り上げてもらい自分も出演してアピールするのと、全くの一般人が本を出してテレビに取り上げてもらい出演までさせてもらうことの難易を比べたら、やはりそこにはかなりの差があると思います。

となると、そこに出版社は出版社としてどれくらいの働きができるのだろうか、という気がします。これが美木良介ではなく、全くの一般人、何のバックもない人が書いたダイエット本だったとして、それを徳間書店なり他の出版社なりがここまでのセールスに持っていくことは、どうやったらできるのでしょうか?

こう言ってはなんですがタニタのレシピ本にしても、女子栄養大のレシピ本にしても、体脂肪計のタニタ、女子栄養大学という世間に対してそれなりの訴求力があるからこそのヒットだと思うのです。この分野以外でも「東大の」とか、「東大生の」的な参考書もやはり東大というブランドがあればこそでしょう。

もちろん、そういうところに目をつけて本を書かせる、出版するという企画力も出版社の力ですから、それも含めて判断しないとなりませんが、やはり営業という部署にいますと、企画は編集部の土俵であるという意識が働いてしまいます。営業部が戦う土俵は出来た本をどう売るかですから、ブランドなりブックグラウンドのないものを、いかにヒットに結びつけるか、そういう観点から見てしまいます。

読んだ感想を書く