2012年4月11日

この時季の返品

この一年くらい、書店の発注が渋いです。

出版社も取次も、そして書店も「返品率を下げろ!」の大合唱の下、仕入れすぎなければ返品もしなくて済む、という至極単純な論法で発注を減らしているのだと思います。

ある程度までは、この方法は正しいと思いますし、無駄は削るべきだと思います。確かに数年前に比べると、出品は数量・金額共に減りましたが、返品も減りました。

いやいや、返品も減ったけど、売り上げも減っちゃったよ、という表現の方が正しいのでしょうか?

それはともかく、見込み違いというのはあるので、ある程度の返品はやむを得ないと思うのですが、どうにも理解できない返品もあります。

きちんと統計を取ったわけではありませんが、このところ語学書の返品が増えているような気がします。あくまで漠たる印象ですが、そう感じます。

でも、ちょっと待ってください。

語学書って、この時季に一番売れる商品ではないのでしょうか? それなのになんで返品しようとするのでしょう?

もちろん、「棚に並んでいる本はちょっと焼けちゃっているので、それを返品して、別途新しい商品を発注してます」という書店さんもあるでしょう。でも、見ている限り、返品依頼のファクスにそんな文言は見当たりません。

さらには、「これはあんまり売れないよね」と、正直に白状すれば、そう言える本もありますが、依頼のファクスを見ていると、どう考えてもうちの主力商品、毎年よく売れている商品の返品依頼が混じっています。

確かに、書店によっては英語以外の外国語は置かなくなったから、という理由もあるでしょう。それならそれで、そういう理由を書いて欲しいのですが、たぶん忙しくてそんな暇はないのでしょう、特に理由らしい理由は書いてないことがほとんどです。

しかし、そういった書店側の事情も理解できるとはいえ、もっとも売れるじきに、もっとも売れそうな商品を返品しようとするなんて、書店員としてのセンスはどうなのでしょうか? こちらも「この商品はこの時季の主力商品ですので、返品お断わりします」と書いて返事をすればよいのでしょうが、たぶん書店員側としては、そんな面倒な会話のやりとり(←ファクスですけど)に付き合っている暇はないだろうと思い、そこまではやっていませんが、果たしてそういう返事をすれば、少し売ろうとしてくれるのでしょうか?

これだけデータが整備されてくると、確かにこの数ヶ月一冊も売れていない本というのは簡単にわかると思います。でも、語学書のような季節性のある商品は、3月から5月で一気に売れることもあるわけで、語学書担当であれば、そのくらいのセンスは持っていて欲しいと思うのですが、これは無いものねだりなのでしょうか?

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