2012年3月15日

やりすぎなのか、否か?

東京都の江戸川区が小中学校に「読書科」を設けるのだそうです。

日ごろ、子供たちにも本に親しんで欲しいと思っている出版社の人間としては嬉しいニュースではありますが、ふと考えると、これまで「朝読」「家読」と運動が進んできて、授業の科目に読書が取り上げられるのかと、やや複雑な心境でもあります。

思い返してみると、小学校の頃、年に数回、国語の授業が図書室での読書ということがありました。いま思うとあれが「読書科」の授業だったのでしょうか? 子ども心に本が好きだったあたしには嬉しい時間でしたけど、本が好きではないクラスメートには苦痛以外の何ものでもなかったのではないでしょうか?

もしこれが読書ではなく、例えばサッカーだったとしたらどうでしょう? サッカーが好きな子はいいですけど、球技は嫌いとか、運動は苦手という子には苦痛ですよね。朝読ですら、子供に「本嫌い」を生んでいないかと心配になるときがありますが、あの程度が許容範囲ではないでしょうか? それでも基本的に毎朝10分間、強制的に読書をさせられるというのはどうかと思ったりもします。

確かに、他の活動に比べると、読書というのは子供の成長や教育にとって益するところが大であることはわかっていますが、何事もほどほどが肝要ではないかと思うのです。

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