2012年2月20日

呪い?

内田樹『呪いの時代』読了。

前半3分の2くらいは面白く、共感を持って読めましたが、最後の東日本大震災にカンする部分はちょっとテイストが違うというか、なんか胡散臭さを感じてしまいました。

で、面白かった前半について言いますと、他の本でも、他の人も言っていますが、「本来の自分」「本当の自分」はもっとすごいんだ、優秀なんだと思い込んでいる人が、そういう自分を認めてくれる場所を探しているのが「自分探し」なんだという指摘は興味深く、納得させられました。だから、決して自分なんかが見つかるわけはないという結論も含めて。

それにしても、本当に今どきの人は本当の自分はもっと優秀なんだと思っているのでしょうか? そして、そんな「本当の自分」と「世間から思われている今の自分」とのギャップに悩んでいるのでしょうか?

たぶん、そうなんでしょうね。

でも、あたしなどはむしろその逆で、もしかしたら自分を買いかぶっているかも知れませんが、比較的世間的な評価っていいんです。昔から班長とか委員長とか、そういうのをやらされることが多く、そういうのを比較的きちんとこなしていたので、先生からクラスメートからも「真面目できちんとしている」と思われがちでした。

でも、あたしが思っている本当の自分って、もっとだらしなくて、性格は陰険で底意地悪く、他人に冷たくて薄情な人間です。こんなあたしなのに、周囲の人はそうは思ってくれていないみたいです。いや、時々あたしのそういう狷介な部分を見抜く人もいますが、割と少数で、多くの人はしっかりした人間だとあたしを思っているみたいなんです。

ギャップに悩む、苦しむという意味では同じですが、あたしの場合ですと、「どうしてこんなイヤな奴なのに、みんな、わかってくれないんだ!」という感じです。結構葛藤があります。あたしはそんないい人でもなければ、有能な人間でもないです。あたしなんかを信用してはいけません、絶対に裏切ります。友達になんてなってはいけないタイプです。

そう、声を大にして言いたいです。

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