2012年2月 6日

書評など

昨日の日曜日、毎日新聞と朝日新聞に書評が載りました。なので、朝から電話とファクスで注文が殺到しています。

いや、殺到というのは大袈裟かしら?

でも、かなりの数の注文を受けました。先週末に、この書評を見越してと言うわけではなく、今週末にいくつか重版が出来てくる売れ行き良好書があるので、その案内を先週末、全国の主要な書店さんにファクスしていたので、そのリターンもかなりありました。

こう言ってはなんですが、事実だから仕方ないとはいえ、この数年来、新聞書評の効果が薄れてきていると言われます。かつては朝日の書評に載ったとなると、相当な売れ行きが期待でき、実際その通り売れていたのですが、昨今は店頭で抱えている在庫がうまく消化できれば御の字という場合もあります。追加注文なんて夢のまた夢だったりします。

それでも、書評が出ないよりは出た方がマシですし、そんな言い方をしていると時々足下をすくわれて、書評効果でとんでもないヒット商品になることもあります。どういうときに効果があって、どういうときに効果が薄いのか、それがわかれば出版社も書店も苦労はありませんが、確かに効果がさっぱりなときもあれば、今回のように反響が大きいときもあります。

単純に考えれば、書評の文章が面白くて、読んでみたいと思わせるような場合は効果あると言えますし、政治・社会のようなジャンルの書籍は朝日新聞よりも日本経済新聞の書評欄に出た方が読者層とマッチしていて効果が大きいと言えます。

しかし、こういうのも漠然とそんな感じかなあと言える程度で、そこに確たる法則があるわけではありません。あえて言えば、複数の新聞に載るとそれなりに売れるということくらいでしょうか。

ただ、なんだかんだ言ってもこの不景気です。書評を見て読みたい買いたいと思っても、先立つものが足りない、全くないという本好きも多いのではないでしょうか?

新聞書評以外にも本を紹介するコーナーは雑誌にもありますし、テレビにもあります。ひと頃はTBS系の「王様のブランチ」の書籍コーナーの力が大きかったこともありましたが、最近はどうでしょう? NHK-BSの「週刊ブックレビュー」は放送時間が早いので、やはり見ている方が限られるのか、そういう視聴者層にあった本が紹介されると動きがよくなります。

週刊誌などの本紹介のコーナーも、時に予想も出来ないムーブメントを起こしてくれることもありますし、昨今ならアルファ・ブロガーのブログが箴言になるヒットも多々あります。こうなると、こちらとしては何が理由で売れているのかつかむのに時間もかかりますし、時には結局原因がわからないこともありますので大変です。

最近のテレビでは、「ブランチ」「ブックレビュー」に代わって、NHKの「100分de名著」がヒット作を生んでいます。アランの『幸福論』が格好の例です。しかし、今もっとも書店店頭の動きに直結しているのは、「ブランチ」と同じTBS系の「中居正広の金曜日のスマたちへ」ではないでしょうか? バラエティ番組なので正面切って本を取り上げているわけではありませんが、その時々に話題になっている、なりつつある本がフィーチャーされることがしばしばで、今もっとも熱い媒体かも知れません。

というわけで、今日は、いろいろ仲良しの書店員さんからの追加注文の電話やファクスが多かった一日でした(嬉)。


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