2012年1月14日

アブノーマル度チェック

宮木あや子さんの『憧憬☆カトマンズ』を読了しました。個人的には、読んでいるのも辛くなるような切ないラブストーリー、悲恋の話が宮木さんの作品では好きなのですが、こういう作品もすかっとして愉しめます。それに、ただ単に笑えるだけでなく、やはりどことなく切ないところがあって、ふと「やっぱり、哀しいよね」とつぶやきたくなる場面もあります。

どういう作品かというのは本書巻末の「あとがきという名のいいわけ」で宮木さん自身が語ってくれています。興味を持たれた方は本屋でここだけでも立ち読みして判断してください。構成は最近よく見る、複数の主人公それぞれの視点からの話をつなげていく、いわゆる連作というのでしょうか、そういうものです。



この作品を読んでいて笑ってしまうところは何か所もありましたが、その中で特に印象に残っているのは57ページから58ページにかけてです。友人が実は日商簿記の2級を持っていることに驚いた主人公が履歴書にそのことが書かれていないよと指摘したときの友人の返答です。「簿記の『簿』の字が書けなかったから」というセリフ、受けました。

あとは109ページに出てくる、雑誌のSEX特集記事の中にある「あなたのアブノーマル度チェック」です。このあたりの記述は宮木さんの全くの創作なのか、なにかしら女性雑誌に類似の記事があったのか、はたまた周辺の女性に取材して書かれたのか、よくわかりませんが笑えます。

もっともノーマルのなのは「キジョーイ」、アブノーマルとの境界は「顔面射精」、その他「無人島でSEXする」「ストッキングを破かれる」「生徒と先生などのロールプレイをする」などなどが挙げられ、もっともアブノーマルなのが「放尿させられる」なんだそうです。

それぞれのプレイ(?)に対する主人公二人のコメントやリアクションも笑えますが、ここに出てきた以外のランキングが知りたいところです。宮木さんには是非ともご自身のブログで、この「チェック」の全ランキングを発表してもらいたいと思います。


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