2012年1月 2日

心が折れそう......いや、折れました

新年二日目。午前中に東京国立博物館へ「北京故宮博物院200選」を見に出かけてきました。

開園時間に行くと却って並んでいるだろうから、その列が解消された頃に到着すればいいかなと思ったのが間違いのもとでした。解消されるどころか、時間を追うに連れ、人はますます増えていきます。あたしが到着したのは開園の9時半を少し過ぎた頃でしたが、チケット売り場はそれほど混んでいないものの、正門前は二重三重に折れ曲がった行列が正門まで出来ていました。

正門を入ると、本館へ行く人もいますし、その他の施設へ行く人もいるようですが、ほとんどの人は故宮展を開催している平成館へ向かっています。平成館前は既に行列が出来ていて、その最後尾は本館の脇あたりまで伸びています。ここで4人ずつの列に並ばされ、少しずつ少しずつ前へ進みます。寒風吹きすさぶ中、寒かったです。

約30分ほど並んで入館です。第一会場と第二会場がありましたが、第一会場が混雑しているということで第二会場から見るように誘導されました。整理の人が盛んに言っていましたが、清明上河図以外の展示品は比較的空いているとの言葉どおり、入り口付近など多少混雑しているものはありましたが、全体的には外に並んでいた人の数に比べ混雑していると言うほどではありませんでした。

故宮博物院の宝物たちは、過去に何度も行なわれている故宮博物院展で見たことあるようなもの、北京の故宮で見たことあるようなもの、各種図録などで見たことあるもの、そういったものもあるようでした。小一時間ほどかけて一通り見終わり、あとは清明上河図を残すのみです。

で、平成館の二階、展覧会場の入り口から一回りして土産物売り場まで長い長い列が出来ています。これが清明上河図を見るための列なのです。なんと、館内に入ってもさらに行列! 並ばないといけないとは。

確かに門外不出、北京へ行ったって、ふだん公開・展示されているわけではない至宝ですから、一目みたいという気持ちはわかりますが、この混雑はないでしょう。憎いのは朝日新聞です。あんな宣伝をしなくてもいいのに、と思います。

それにしても、この数年来、日本人の対中感情は最悪だと思いますが、中国モノの展覧会によくもこれだけ人が集まったものです。「中国の文物なんて興味ないや」という日本人が多く、もう少し閑古鳥が鳴いているのを期待していたのですが、現在の中国と歴史的な中国とは別のもののようです。

さて、この行列では清明上河図はとても見られそうにありません。たとえ並んで入場してもチラッと見るだけになってしまいそうです。それなら、たぶん長い会期中にはもう少し空いている時期もあるだろうから、また来ようと思い、心が折れかかりながら東博を後にしました。個人的には清明上河図以外にも、皇帝の衣裳とか巡遊の図とか興味深いもの、見応えのある展示品がたくさんありましたが......

やはり、前々からあたしが主張しているように、土日祝日は60歳以上の料金を引き上げるといったことをして、来場者が分散するように仕向けないとだめですね。あるいは、清明上河図だけさらに別料金にするといった手段を執ってもよいかも知れません。そう思った新年二日目でした。

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