2011年12月21日

ショボすぎる忘年会

今年は忘年会が四つです。そのうちの一つは会社の忘年会なので、外向きの忘年会は三つです。どれも業界団体の忘年会で、その団体の参加者なので忘年会にも参加する、という性格のものばかりです。今のところ、親しい版元同士で、とか、書店の人と、という忘年会の予定はありません。

いや、別に今年に限った話ではなく、毎年のことですから、そのことをどうこう言いたいのではありません。むしろ三年ほど前、ある出版社の人から書店の人と忘年会(だったと記憶)に誘われて参加した会が、会それ自体は楽しかったのですが、あたし以外の全員が、男も女もみんなタバコを吸う人で、その空気が嫌で嫌で、一刻も早く帰りたい思いをしたという苦い経験があります。

経験と言えば、テレビでこの時季ならではの話題として、心に残るクリスマスといった話をしていました。恋人とのクリスマス、子供のころのクリスマス、出演者は思い思いに語っていました。それで「あたしはどうかしら?」と思ったのですが、想い出のクリスマスだろうと、バレンタインだろうと、正月だろうと、夏休みだろうと、あたしは記憶に残る、想い出になるような体験がありません。家族以外の誰かと過ごしたということもなければ、どこかへ出かけたという想い出もなく、ここまで来てしまいました。あたしの人生って、なんて起伏がないのだろうと思いますが、仕方ありません。

で、閑話休題。

忘年会です。

とある業界団体の忘年会。会場は畳敷きの、古いアパートの一室のようなところ。小さな料理屋の二階の座敷なのですが、どう見たって貧乏学生の安アパートにしか見えません。6畳くらいの座敷に、大の大人が十数名、まさしく膝をつき合わせて、とうい宴会です。

こんな店を選んだからには、さぞかし味だけは抜群なのだろうと思っていましたら、時代劇に出てくるような一人一人のお膳が用意されています。それほど高価なものではないようですが、こんな店なのにお膳が一人一人に出るなんて洒落ているじゃない、と思いました。

が、出てきた料理はのり巻きとお稲荷さん、だけ。のり巻きも鉄火巻きではなく、お新香巻きのみです。沢庵や柴漬けなど、あたしが嫌いな具ばかりです。のり巻きが6個くらいとお稲荷さんが二つ載った皿が各自の膳に運ばれてきます。あとはお茶だけです。酒もビールも出ません。お茶だって出がらしのようなまずいお茶です。

ちょっと待ってよ、これが忘年会ですか? という気になったのはあたしだけなのでしょうか。他の人たちは嬉しそうに、美味しそうに食べています。それこそ「この会の忘年会は毎年このスタイルなんだ」と言わんばかりです。

結局、あたしは料理には箸もつけず、適当な言い訳を設けて会を中座して帰宅しました。席を立ったとき「残すなら食べてもいい?」と聞かれたので「どうぞ」と答えましたが、皆さん、こんな忘年会で満足なのでしょうか? 忘年会が最も忘れたいことになってしまってます。






という夢を見たのは何かの暗示でしょうか?

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