2011年11月10日

絶対に先細り

津村記久子さんの『ワーカーズ・ダイジェスト』を読み終わりました。

本当はもっと前に買って読むはずだったのですが、たまたま「読もうと思っている」と関西出張の折に、仲良しの書店員さんに話したら、「津村さん、こんどお店にいらっしゃるのでサイン本もらってあげます」と言われ、「じゃあ、お願い」と頼んだのです。そうして、先日の関西出張でそのブツが手に入ったというわけです。



さて、本書の中、主人公の32歳の女性がこのままでは友人関係も先細っていきそうだから、食事でも飲み会でも声をかけられたらできるだけ断わらないようにしようと軽い決意をするシーンがありました。ちょうど直前に長年付き合ってきた彼氏と別れたという設定なので、実はかなり切実な決意ではあったのではないかと思います。

で、そんなシーンを読みながら、あたしも同じだなあと思いました。

この主人公は学生時代以来の友人とのつきあいが続いていて、たまに集まって飲んだりしていることになっています。それに比べ、あたしはそういう繋がりはとうの昔に消滅。考えてみると、今のあたしって、仕事上の知り合いしかいないです。あとはせいぜい家族・親戚でしょうか。親戚なんて、そのうち縁遠くなって、いわゆる親戚づきあいもなくなって、いつの間にか音信不通でしょう。家族もあたしには母と妹しかいません。妹が結婚したので、そちら方面の親戚が新しくできたと言えますが、妹は嫁いだわけですから、それほど頻繁なつきあいになるとも思えません。

仕事上の知り合いも、このダイアリーで何度も書いているように、友達ではないです。あたしが諦念を待たずに仕事を辞めることがあれば、それっきりになるひとばかりです。もちろん街で偶然ばったり出逢うことはあるのかも知れませんが、中高大と卒業後にクラスメートに街で出くわしたことが、記憶する限り二、三回しかないので、たぶんほぼそういう可能性もないのではないかと思います。

とまあ、自分の置かれた状況を冷静に考えると、先細りどころか、完全に途切れていると言えるのではないでしょうか。いまさら新しい交友関係を作るなんて面倒くさいことは出来ませんし、そんな機会もありそうにないです。

「それこそ、いまはやりの料理教室に通うとか、どう?」と言われてみたところで、時間はともかく先立つ経済的なものが足りません(涙)。ドラマや映画、小説のように、なにげない日常生活の中には出会いなど転がっているわけもないです。

多分に、あたし自身が出会いを求めていないから、自然と実はあったはずのそういうなにげないものを見逃しているのかも知れませんが、そんな物欲しそうにアンテナを張り巡らしているのも、ちょっとなんかイヤですし・・・・・・

やはり、未来は孤独死でしょうね。

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