2011年10月30日

新書ナビ

今回の関西出張、西日本どころか、今のところ日本最大の面積を誇る丸善&ジュンク堂書店梅田店(←ジュンクの人と話すときは「茶屋町」と呼ぶことが多い)へ行ったときのことです。

その文庫・新書・文芸フロアの一角にこんな棚がありました。



新書ナビと名づけられた棚です。この写真ではちょっとわかりにくいかも知れませんが、出版社別でも番号順でもなく、テーマごとに新書が並べられているのです。



もう少し近寄って撮った写真がこちら(↑)です。比較的誰もが関心を持ちそうな、定番のテーマが並んでいます。たぶん単行本はちょっと高いし厚いから、とりあえずは手軽な新書で基本的な知識を仕入れようという人にはうってつけのコーナーだと思います。と言いますか、本来「新書」ってそういう需要を満たすために生まれたものですよね。

この棚、どんなふうに維持、管理されているのか、されていくのか、そこまでは聞きませんでしたが、読者としてはとても面白い棚だと思います。

ふつう文庫や新書は、どこの書店に行っても出版社別、レーベル別に、通し番号順に並んでいると思います。その方が書店員側からすれば管理しやすいですし、出版社の営業にとっても何が抜けているのか(売れたのか)把握しやすいですから。

でも、そういう並べ方はお客の立場からしてどうなのか、という気もします。文庫の場合、上に書いたような並べ方をしてもお気に入りの作家の作品はずらっと一か所に並ぶでしょう(複数の文庫レーベルで作品を出している作家は別として)。でも、新書では、そうはいきません。

あたしなど、学生の頃から文庫でも新書でも中国関係のものが出ると、たいていのものは買ってきました。先月は岩波と中公から出た、今月は講談社と中公、という具合にどの出版社のどのレーベルから出るか決まっているわけではありません。文庫・新書の今月の新刊コーナーを見ればだいたい把握できますが、月々の刊行日も異なりますので、しょっちゅうチェックしないとならなくなります。

でも、こういうふうな棚があって、そこに「中国」といったテーマが設けられていたら非常に便利だと思います。もちろん個人の関心の持ち方はさまざまですから、どういうテーマを作ったらよいのか、担当者は悩みに悩むことだろうと思いますが、それこそ書店で働く醍醐味ではないかとも思います。

たぶん、この棚の7割くらいは常設のテーマで構わないと思います。そのテーマに追加するような新書が毎月刊行されるかどうかはわかりませんが、とにかく刊行されたら加えていけばよいと思います。そして、残りの3割くらいはいまホットなテーマを集めた、数ヶ月ごとに入れ替えるようなものにしたらどうかと思います。今だったら原発とかエネルギー問題になるでしょうか。法然、親鸞や日本仏教でもいいかもしれません。

ちなみに、最近チェックしていないのですが、東京では立川にあるオリオン書房のアレア店が、新書の棚をこういうテーマ別で並べていました。ちなみに、上記の丸善&ジュンク堂書店は、このナビ棚は新書コーナーの奥の方に一つあるだけで、広大な新書コーナーは一般的な出版社別に並べてあります。せめて新書コーナーの一番目立つところに配置してもよいのではないか、そんな気もします。

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