2011年10月20日

交通事故

数日前のニュースですが、中国で交通事故に遭った女の子を、通行人が見て見ぬふりをしている間に、さらに別の車に轢かれ瀕死の状態になったという件。いろいろなニュースサイトにも載っていますし、新聞、テレビでも報道されていたと思います。

日本だけではなく、中国でも相当な話題になっているようですが、事故などを見て見ぬふりという現象自体は、現代中国ウォッチ的な数々の本で指摘されています。あたしが読んだ日本の新書、文庫などでも何度か読んでいます。

曰く、下手に病院に連れて行くと自分が医療費を負担する羽目になる、曰く、警察などに連絡をすると自分が犯人、加害者にされてしまう、といった理由から、たとえ可愛そうだと思っても関わり合いにならない風潮が中国では蔓延しているとのこと。

いまや中国政府は行き過ぎた資本主義を何とかするために、孔子を持ち出して儒教の復権を声高に主張しているようですが、庶民に行き渡るには時間がかかりそうです。どちらかというと、かつて日本でも流行ったように、儒教の教えをビジネスに活かす、といった観点からの興味の方が強いみたいです。

決して中国人は冷たいわけでもなければ、他人に無関心なわけでもないんですけどね。

どうして今回みたいな事態が起こってしまったのか、単なる交通事故という表面的なものだけを見ていたのでは、中国が抱える病巣は見えてこないかも知れません。

しかし、それが儒教によって強制できるとも思えないのです。

やはり、「衣食足りて礼節を知る」ではないでしょうか?

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