2011年10月12日

長いものに巻かれる?

そろそろ来年度のことが気になる季節です。どういうことかと言いますと、ちょっと長くなるので順番に書きます。

あたしの勤務先の売り上げの大きな柱は、大学の語学のテキストなんです。中国語や韓国語、フランス語などの授業で使う教科書のことです。最近は半期の授業も増えましたが、やはり多くは4月始まりですから、その4月に向けてテキストを作っています。

4月に授業が始まったときに、履修要覧などを開くと教科名とそこで使う教材(テキスト)が書かれていて、生徒はその教科書を買いに生協や学内書店に向かうわけです。つまり、4月の授業が始まる時点で教科書は既に決定しているわけです。

履修要覧に明記されているということは、履修要覧の印刷・製本のことを考えますと、年明け、遅くとも1月末までには全教科の科目名と教員、テキストが確定していないと履修要覧は作れません。となると、教員の方はそれ以前、たぶん事務方からは年内に来年度の教科書を決定してくださいと言われていることでしょう。

という逆算から、語学を担当する先生方に見本の教材を送るのは毎年11月頃となります。はい、その通り、もう来月ですね。それ以前にカタログも作りますから、いまが来年度の教科書の仕上げの時期に当たります。

なので、もう来年のことが気になるのです。

ところで、教科書は先生が指定したものを、あたしも学生時代には買っていましたが、辞書は違います。最近は「これを買いなさい」と強制する先生は、自分が著者でもない限り少ないと思いますが、あたしが学生の頃は意外と業者との癒着があったのか、学校でまとめてクラス全員分を買うこともありました。確か中学の英語の辞書だったと記憶しています。

で、あたしは、その頃から、そういう世の流れには乗らず、ひとり別の辞書を買う生徒でした。だって、辞書というのは数種類を引き比べてこそ面白いわけです。周りのみんなと同じ辞書を使っていたのでは同じ解釈、同じ語義、同じ例文しかわかりません。だったら自分は別の辞書を買って、クラスメートとは別の語義、解釈、例文を調べようと思ったのです。教師から見たら生意気な生徒と思われたかも知れません。

ただ、あたし自身は誰に教わるともなく、そういう感覚を身につけていただけで、孤高を守るとか長いものには巻かれたくないといったポリシーがあったわけではありません。その証拠に、ビデオはベータではなくVHSを使っていましたし、パソコンもマックではなくウィンドウズ派です。決して一人とんがったことをしようなどというタイプではないのですが、なぜか辞書については上述の通りです。

もっとも、専門にやっていた中国古典と中国語に関しては、何種類も辞書を持っていましたので、みんなが使っている辞書も持っていましたけど(汗)。

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