2011年10月 2日

いくらなら買うか?

電子書籍元年と言われたのは昨年でしたっけ、今年でしたっけ? いずれにせよ、まださほど広がっている感はありません。各種書店などのランキングに載っているベストセラー作品がどのくらい電子版でも読めるのでしょうか? やはり、いま読まれている、いま売れている本が電子書籍になっていないと普及もブームも起こらないのではないかという気がします。

さて、あたしも今年中にはタブレットを買って、電子書籍というものに実際に触れてみたいと思っているのですが、とりあえずは市場調査的に新潮社さんのサイトを見てみました。新潮社は「Shincho LIVE!」という電子書籍サイトを開いています。出版社の中ではデジタルコンテンツに力を入れている出版社ではないでしょうか。

例えば、ここに新刊電子書籍として挙がっている『「進化論」を書き換える』という本。刊行は今年の3月、本体価格1400の作品です。これが電子書籍として半年たって配信されるようになったわけですが、税込みで1176円とあります。

3月の刊行当時、この本が売れに売れていたかどうかは知りません。震災もあって、今一つだったのかも知れませんが、それはともかく、半年たって配信というのは早い方なのか遅い方なのか、どうなのでしょう? 映画ですと劇場公開があって、DVD発売があって、スカパー!などの有料放送があって、テレビ放送という順番でしょうか? いろいろ制約もあるのでしょうが、DVD発売は映画公開からだいたい半年後というところでしょうか?

同じく新刊となっている瀬名秀明の上下本も文庫版が出たのは2005年とかなり以前になります。アマゾンを見る限り、既に品切れのようですので定価はわかりませんが、電子書籍は788円となっています。同様に、新潮新書が何点か挙がっていますが、これらも刊行は数年前のものばかりで紙版よりも100円程度安い価格です。

さて、まず紙が出てから電子が出るまでのスパンとしてどれくらいが適切なのでしょうか。本当に電子書籍を普及させたいのであれば、同時刊行、あるいは一ヶ月後に出して欲しい、配信して欲しいと思います。その場合、価格は紙と同じ程度でも構いません。ただ、3か月たったら値下げ、半年たったらさらに値下げ、一年たったらもっと値下げ、という仕組みにしたらよいのではないでしょうか? 電子なら再販制に引っかからないはずですから、大丈夫ですよね。それともダメなのでしょうか?

実際に買ったわけではなく、ただサイトを見ているだけなので好きなことを言ってますが、一応は買ってみようかなという態度で見ているので、正直そう思います。ただ、新潮社の書籍、いろいろな端末に対応しているのは評価できるのではないでしょうか? iPadでないと読めないとか、Androidでないと見られないというのでは普及も何もあったものではありません。

あと気になるのは、こうやって購入した電子書籍。端末が壊れない限り、永久に手元に置いておけるのでしょうか? 確か、うろ覚えですが、新聞は一定期間が過ぎると消えてしまうというようなことを聞いたのですが、そんなことはないのでしょうか? それとこういう電子端末とか好きな人って、案外新しもの好きですよね。いまはiPadを使っているけど、iPad2に買い換えましたとか、Android端末に乗り換えました、といった場合、新しい機械に移すことは可能なのでしょうか? そういう疑問も残っています。

電子書籍というと、業界の権利問題とか普及がどうのといった話題が多いですが、こういう実際に買うとなったらという情報が意外と少ないのではないでしょうか? そう思います。

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