2011年10月 1日

あれで読めますか?

最近、テレビを見ているとしばしば目につくiPad2のCM。iPadのサイトでも見られますが、その中で最近特にOAされているとおぼしき「We'll Always」バージョン。

このCMの最初の方のシーンで電子書籍を読んでいる場面があります。指一本でページをめくるようにディスプレイをなぞっているシーンです。



このシーンでiPad2のディスプレイに映っている電子書籍が何なのか、タイトルはわかりません。ただ、絵も写真もなく文字だけがずらずらと並んでいるページが映っています。未来の読書のスタイルを、アップルなりに表現しているのでしょう。確かに重くて分厚い本が、こんな薄っぺらな機械に収まってしまうのなら楽です。それも一冊や二冊ではなく数十冊、数百冊が入ってしまうのですから。

でも、そんな薔薇色の未来図よりも、このCMを見て最初に感じた違和感は、こんなに文字ばかりで読むのに疲れそう、というものです。ちょっとふつうの書籍としては文字が多すぎませんか? で、このページ、ウェブサイトで再生したときにちょっと止めてよく見てみたのですが、一行が40字近くあります。ごくごく一般的な単行本の一行文字数としては決して多すぎるというわけではないのです。

でも、画面で見る限り、紙の本よりもはるかに文字が詰まっているように感じます。たぶん、四周の余白が少ないのが原因ではないでしょうか? でも電子書籍って、今のところ、たいていは紙の本のレイアウトをそのまま電子化していると聞いてますので、このCMで読まれている本は、紙の本でもかんな感じなのでしょう。

ただ、紙の本ですと、見開きになりますから、文字も増えますが余白も増えます。それに比べると電子書籍はディスプレイによって切り取られた感があるので、どうしても文字ばかりの印象を受けがちになるのかも知れません。

となると、紙の本のレイアウトそのままで電子書籍化するのはどうなのでしょう? ここは電子書籍は紙の本とは別にページレイアウトを考えないとならないのかも知れません。紙の本ですと、装丁だけでなく本文についても本文デザインとかページレイアウトを専門にやられる方がいらっしゃいます。電子書籍の場合、電子書籍専門のページデザイナーって存在するのでしょうか?

個人的には、雑誌などレイアウト勝負のものは別として、単行本のように文字中心のものは、テキストデータだけもらえれば、あとは自分で画面に合わせて見やすい文字数、行数に成型して閲覧するからレイアウトはどうでもいいと言えるのですが。

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